道端の電子レンジも怖い!? 「移動式オービス後遺症」とは? ドライバーが錯覚しそうな白くて四角い物体の数々

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移動式オービスで検挙されたドライバーを襲う「後遺症」?

 どこでも速度違反を取り締まることができる移動式オービスが、全国で増加中です。そして移動式オービスにより実際に検挙されたドライバーも増えてきました。

 従来からある固定式オービスは赤切符の違反が対象でしたが、移動式オービスは青切符でも検挙されます。私(オービスガイド 大須賀克巳)が携わる「オービスガイド」のサポート窓口に、検挙された人から連絡を度々頂くことがあります。

【画像】移動式オービス…ではない道端の白くて四角い機器を画像で見る(10枚)

 皆さんのお話を聞いていくと、なにやら移動式オービスのいわば“後遺症”ともいえる症状が現れるようです。

道端にたたずむ電子レンジと、「取締り重点路線」の標識(画像:オービスガイド)

 例えば、LSM-300という白い直方体の移動式オービスがあります。このオービスに15km/hオーバーで撮影され1万2000円の反則金を納めた人によると、それ以後は運転中に白い四角い物体に異常に反応するようになったようです。

 路肩にある配電盤ボックスや信号の制御機はもちろん、ジュースの自動販売機の横に置かれた白いゴミ箱までもが移動式オービスに見え、心拍数が一瞬上がる感じがするそうです。虫が嫌いな人が、落ち葉や小枝を虫と錯覚するのに近いのかもしれません。

 そんな“移動式オービス後遺症”の人々をハラハラドキドキさせる有名な物体が、宮城県内の某所にあるようです。移動式オービスだとする誤投稿がオービスガイドにも何度かあったため、私も実際に現地へ行ってみました。

 現場は田園風景が広がるのどかな場所ですが、運転しながら目的地へ近付いていくと、緑や茶色といったアースカラーの景色の中に、違和感のある真っ白い直方体の人工的な物体が見えます。

 確かに遠くから見たときは、取締り機器のように感じましたし、背後には偶然かつご丁寧に「取締り重点路線」の看板も。個人的にはLSM-200というネズミ捕り用の最新機器かと思いました。

 しかし徐々に近付いていくと、それは家庭の台所にあるごく普通の電子レンジでした。白い金属製の箱の正面には、いかにもセンサーやカメラが仕込まれていそうな窓が付いており、錯覚を生じさせるには十分な形状をしていました。

 しかし、なぜそもそも、ここに電子レンジがあるのでしょうか。

 ちょうど近くの田んぼでラジコンボートのような「アイガモロボ」というハイテク装置の研究をしている方がいらしたので、お話をお聞きしました。

 いわく「電子レンジは新聞受けとして利用しており、配達員の方が奥の家まで入って行かなくても良いように」という配慮のようです。また「通常の郵便ポストよりも作りがしっかりとしているので、雨風から新聞を守るのに最適」とのこと。予想外の答えでしたが、納得の回答でした。

 余談ですが、アイガモロボは農薬を使わずに雑草の生長を抑制するロボットで、多くのメディアでも取り上げられている全国販売開始間近の製品です。

オービスと錯覚しそうによる機器は何?

 話は少し違う方向に行きましたが、続いて“後遺症”を患っていないドライバーでも間違えてしまうような機器の数々を紹介します。

 1つ目は「交通量調査用カメラ」です。よく歩道橋の上などに設置されていますが、移動式オービスと同じく白色で、形状は少し小さく正方体に近いです。幹線道路などで比較的多く設置されるため、間違える人もたくさんいます。

 このカメラは、通過するクルマの種類や台数を自動で記録しています。ナンバープレートも自動認識し、何と通過速度まで記録しているようです。

 もちろん取締りとは関係のないカメラですが、速度を測っているとは知りませんでした。おそらく道路がどのくらいスムーズに流れているのか、を調査するのが目的と思われます。

 ちなみに国内で歩道橋の上から移動式オービスが運用された事例は過去にありません。しかし絶対にありえないのかというと、北海道や千葉県などで運用中のMSSSというタイプの移動式オービスは、製造メーカーの製品紹介動画の中で陸橋上から使用している例が掲載されているので、可能性は今後ゼロではないということを付け加えさせていただきます。

交通量調査カメラ(画像:オービスガイド)

 2つ目は「可搬式ナンバー自動読取装置」です。これは車検切れ車両を発見するための機器で、国土交通省の管轄です。

 私もこの機器のデモンストレーションを見学しに国土交通省へ行きましたが、機器の前を車検切れの車両が通過すると「HIT」の文字が表示されました。実際の運用は警察と連携し、ネズミ捕りと同じように少し先に停止係が待機し、車検切れのクルマはその場で調べられるそうです。

 デモンストレーションの時のプロトタイプは防犯カメラのようでしたが、現在実際に運用されているタイプは移動式オービスに雰囲気がそっくりです。色もサイズも設置方法もよく似ているので、区別が付く人はかなり移動式オービスに精通していると思います。

 それ以外にも、交通事故の現場検証で使われる3Dレーザースキャナーがあります。これは三脚にセットする以外は色も形状も全く異なるため見分けるのは簡単ですが、現場は鑑識など警察の人が多くいるため取締りと間違えるドライバーがいます。

 このように世の中には移動式オービスと紛らわしいものがあふれていますが、そんなものたちにドキドキさせられたくない場合は、やはり制限速度を守り安全運転をするのが一番です。そうすれば、免許証の点数や反則金、それに思わぬ“後遺症”に悩まされる心配もなくなります。