ヴィニシウスのCL決勝ゴールに学ぶ、森保ジャパンの問題点
CL決勝まで、レアル・マドリーはこの練習を、しこたま積んできたのではないかと推測する。ロバートソンを引っ張り出せば、チアゴ・アルカンタラとルイス・ディアスの守備意識は低いので、背後が空く。そのタイミングでバルベルデにボールが渡れば、リバプールは欧州ナンバーワンのセンターバック、フィルジル・ファンダイクがその対応に出てこざるを得ない。となれば、中央の守備は手薄になる。
このCL決勝。戦前不利が伝えられたのはレアル・マドリーだった。その1-0の勝利は番狂わせとまではいかないが、予想を覆す勝利だった。弱者が強者に向かうとき、参考にしたくなる方法論になる。
2022年カタールW杯でドイツ、スペインという強豪と対戦する森保ジャパンにとって、付ける薬だと考える。攻撃に特段の策がないまま、ブラジルに0-1で敗れる姿を見せられたいま、改めてそう思う。得点の計画を綿密に立てて臨まないと、強者からゴールは奪えない。偶発的なゴールしか、期待することができない。
少なくとも相手のスタメンを9割方把握した中で戦うことになる、W杯初戦対ドイツ戦には十分に通用する考え方になる。両サイドに欠陥がある場合は、とりわけ作戦が立てやすい。
となると、逆に日本が狙われやすい立場にあることを心配したくなる。想起するのは2014年ブラジルW杯、初戦で対戦したコートジボワール戦だ。これまでにも何度か述べたことがある事例だが、相手は日本が抱える左サイドの特殊性を突いてきた。左ウイングの香川真司が、そこではなく真ん中にいる時間が長いという特殊事情を、モノの見事に突いてきた。研究した結果であることは明白だった。
今回の森保ジャパンも当時のザックジャパンと全く同じ癖を抱えている。強者ドイツにそこを突かれると、思わぬ大敗に繋がる恐れがある。レアル・マドリーが1-0でリバプールを下した2021-22シーズンのCL決勝から、森保ジャパンが学ぶことは確実に存在する。
作戦を立てようと相手を研究することは、同時に、立てられにくいサッカーを実践することに繋がる。現状、左サイドに問題を抱える森保ジャパンは、そう考えると、攻撃の作戦を立てずに毎度戦っていると考えるのが自然だ。森保ジャパンは攻撃にバリエーションがないと言われる所以を、そこに見る気がする。心配だ。
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スポーツライター杉山茂樹氏の本音コラム。