※この記事は2019年09月23日にBLOGOSで公開されたものです

小泉進次郎さんが初入閣で環境大臣になったね。いいね。俺はいいと思う。今年は結婚に入閣。そういう勢いは大事だよ。何しろ若いからね。まだ38歳だろ。田中角栄さんの初入閣が39歳だったのを抜いたって話題だよな。

角栄さんもそうだったけど、進次郎さんの人気は格別だよな。あのイケメンをオバさま達がほっとかない。あんなイケメン政治家、そうそういないよ。今回の新安倍内閣の集合写真を見たらわかるだろ。みんなオジサンを煮しめたようなのばかりだもんな。

政治家にとって大切なのは人気

新内閣の人気取り担当だとか何だとか言われてるけどさ、外見だろうがなんだろうが政治家って人気は大事だよ。人気イコール支持者の数であり、それが政治を動かすパワーになるんだから。これはね安倍さんも考えたんじゃないのかな。新内閣で初入閣が13人。普通なら大臣の器とまでいかない、これまでくすぶってたような方も何人も入閣させてさ、あちこちに大きな恩を売ってるわけだよ。

その結果、あの人誰?ってね、内閣の画ヅラが妙に地味になっちゃう。そのぶん進次郎さんでパッと明るくしてね。進次郎さんの環境大臣就任、最初の仕事は新内閣の地味な画ヅラを良くする役だったわけだ。それは見事に果たしたな(笑)。

俺はさ、この新内閣に三原じゅん子さんが入るんじゃないかなって思ってたんだ。ほら、こないだの国会で野党に向かって勇ましく吠えてただろ、「安倍総理に感謝こそすれ、問責決議案を提出するなどまったくの常識外れ、愚か者の所業との誹(そし)りを免れません。野党の皆さん、恥を知りなさい!」ってね。そのあと参院選の政見放送ではしっかりと安倍さんのアシスタントを務めてたしな。言うなれば安倍軍団の女特攻隊長だ。

だけど、三原さんの入閣までには至らなかった。きっと安倍さんはね、三原さんも入閣させちゃうとそっちにも話題が行くから、進次郎さんの話題が分散するのを暗に避けたんだよ。初入閣の派手な目玉は一つに絞ったんだ。その結果、進次郎さんはたっぷり目立ったわけだ。こういうことも回り回って、進次郎さんは安倍さんに頭が上がらなくなるという算段なんじゃない? そうして安倍さん、進次郎さんの首根っこをそーっと押さえこむというね(苦笑)。

正面から安倍首相に楯突かなかった進次郎氏の戦略

―― 進次郎議員は安倍総理よりも石破議員を支持していたので、安倍政権では入閣は難しいのではと言われてましたが。

それを遡ってみたらさ、昨年秋に自民党総裁選があったろ。一強の安倍さんが総裁三選確実だったけど、石破さんが捨て身承知で対抗馬になったじゃない。あの時に、進次郎さんは投票結果が出るまで自分が誰に投票するか一切言わなかったんだよな。

基本的には石破派で歩んできてるから、「私は石破さんを応援します」って宣言したっていい立場だった。だけど言わなかった。進次郎さんは人気高いから影響力も大きい。もし、総裁選に向けて石破支持を事前に表明して、各地で石破さんの応援演説なんかしていたら、進次郎効果で地方票から安倍さんをひっくり返す番狂わせが起きてたかもしれない・・・そんな声も永田町ではあったんだよな。だから昨年秋の総裁選、結果は決まってたけど、もし何か奇跡が起きるとしたら進次郎さんの出方次第ではあったんだ。

でも、進次郎さんも考えたわけだ。ストレートに石破さん支持を表明すれば、安倍さんに真っ向から歯向かうことになる。そうすれば安倍さんに睨まれて党内でも窓際の冷や飯食い、出世は遅れるばかり。だから進次郎さん、総裁選の結果が出るまで口をつぐんで立場を曖昧にしたんだ。で、結果が出てから自分は石破さんに票を投じたと明かした。この立ち居振る舞いによって安倍さんも「進次郎、まんざらじゃないな」と緩んだわけだ。

あれからちょうど一年経って、今回の初入閣だ。政治ってのはまさに人間模様。進次郎さんも自分の立ち居振る舞いが周りにどういう影響を与えるのか、日々考えてるんだよ。一寸先は暗闇な政界で、代議士が生き残るってのは理想だけじゃ立ち行かないんだ。清濁併せ吞んでナンボの世界だからね。

―― 進次郎議員、発言が世間に大きく注目される人気者ですが、これまでにこれという実績がとくに無いという声もあります。

何を言ってるんだよ、これまで選挙の度にどれだけ全国各地での応援演説で票を稼いできたか。自民党への選挙貢献は間違いなくトップだよ。あとは国民への貢献ということで言えば、そうだなあ、地元・横須賀で各地のお祭りにマメに顔出してるぞ、アハハハハ。

まあ、政策的な実績はこれからだろ。大臣になれば幾らでもやることはあるんだから。それに進次郎さんなら周りのブレーンも頑張ると思うよ。環境省の官僚も役人もモチベーションが上がるんじゃないの。役人達も「小泉進次郎大臣の下で働いてます」って世間に言えるんだから。前の環境大臣って誰だっけ。原田義昭さん? 比べたら世間で名が通ってるのは進次郎さんだからね。「小泉進次郎大臣でおなじみの環境省でございます!」って張り切るよ。

そうして進次郎大臣は周りに神輿担いでもらってさ、実績を増やしていけばいいんだよ。それにまだ先の話とは言え、未来の総理候補として名前が挙がってるわけだからさ、役人は今のうちに進次郎さんに、自分の顔と名前を覚えてもらおうって余計に頑張るよ。

金じゃ買えない好感度 進次郎夫婦の魅力

それにしても進次郎さん、令和元年は結婚と入閣で、国民からますます熱い目で見られる節目になったな。新妻が滝川クリステルさんってのがいいね。いい奥さんを娶ったよ。ツーショットが画になるもん。俺は滝川クリステルさん見てさ、ケネディ大統領のファーストレディー、オナシスさんを思い出したよ。ジャクリーン・ケネディ・オナシス。3年ぐらい前にナタリー・ポートマン主演で「ジャッキー」って映画になったろ。

ケネディ大統領とオナシス夫人みたいな美男美女のカップルは、飛行機のタラップから降りてくるシーンが画になるんだ。ルックスに魅力があって人の目を引く。国際的にも注目される。それが一国のイメージと好感度になる。そういうのは金じゃ買えないんだ。だから進次郎さんとクリステルさんが、もし今後、日本国のトップというポジションになったらさ、どんどん外遊して、色んな国の空港で飛行機から降りてきてほしいね(笑)。

―― そうなった際、滝川クリステルさんは英語とフランス語に堪能な才女ですが、進次郎議員の英語はまあまあという話です。

あのね、俺はクリステルさんが青学時代に仏語を担任した教授に実際に聞いたんだけど、クリステルさんって仏語力は抜群で、仏語の授業も一回出ただけで試験はパスしたってさ。やっぱり本物だね。進次郎さんの英語は、まあ喋れるに越したことないけど、喋れなくたっていいんだよ。中国の習近平さんなんか英語喋らないよ。トランプさんだって中国語喋らないだろ。そういうことだよ。政治家はさ、国民の気持ちをつかんで、誤解を受けない言葉が喋れたら一番いいんだ。だから外国語よりも母国語をきちんと喋れることが重要だよ。そう考えると安倍さん、日本語なんだけど何言ってるかわからない時があるよ。あれは何とかしてほしいね(笑)。

英語云々よりも進次郎さん、落語が好きだろ。なんか落語の議連みたいなの作ってたじゃない?

―― 進次郎議員は昨年秋、自民党国会議員の有志11名と「落語を楽しみ、学ぶ国会議員の会」、略称「落語議連」を設立しました。落語界からは、柳家さん喬師匠(落語協会)、春風亭昇太師匠(落語芸術協会)、立川談四楼師匠(落語立川流)、三遊亭円楽師匠(円楽一門会)、桂米團治師匠(上方落語協会)が設立の会見に並びました。

落語聴くのはいいことだよ。落語の中には色んな庶民が出てくるからね。庶民感覚を広げるにはいい芸能だ。それに人の心をつかむ喋りを落語家から取り入れて、自分の演説に活かしてるんだろ。政治家は英語より落語だな、アハハハハ。

学歴と政治家としての力量は別物

―― 進次郎クリステル夫妻でルックスはお似合いですが、夫婦間の学歴差が気になります。卒業した大学で言いますと、クリステルさんは青山学院大学(文学部フランス文学科)で偏差値「62.5」、進次郎さんは関東学院大学(経済学部経営学科)で偏差値「47.5」と平均よりも下です。※(偏差値は現在の参考数値)

まあ、いいじゃないの。学歴が控えめってのも庶民的でいいよ。学歴と政治家としての力量は別ものだよ。学歴が高けりゃ何でもいいってもんじゃない。東大出てもろくなもんじゃないのがいるだろ。北方領土で戦争発言した丸山穂高議員も東大出身。秘書に「このハゲー!」って暴言吐いて問題になった豊田真由子議員も東大出身だ。田中角栄さんなんか中卒なんだから。政治家は学歴や学力よりも政治力と人間力、あとは財力だ。

―― と言いつつも進次郎議員は大学卒業後、アメリカに留学してコロンビア大学大学院政治学修士課程修了というハクを付けてます。アメリカでも名門のコロンビア大学はかなり強引な「ご留学」です。

アメリカ行ってハク付けて帰ってくる、これは昔からプロレスラーがやってんだ。馬場さん猪木さんの時代から、みんなそうなんだよ。俺の知り合いのキラー・カーンだって元々は相撲出身で小沢正志だったんだ。それがアメリカ修行でハク付け過ぎて、日本人飛び越して「モンゴルの怪人」になっちゃった(笑)。だから進次郎さんもね、アメリカ行ってハク付けてきたってことじゃレスラーと一緒。長い目で見ていこうよ。政治家は永田町というリングで闘うプロレスラーってことでさ。

それよりも、気の早い話だろうけど、俺は進次郎総理を早く見てみたいよ。もし実現したら純一郎さんと親子で総理だろ。父親が存命中に父子ともども総理大臣って今までにいないよな。総理大臣の親子鷹だ。そういうの面白いじゃん。それに、すぐ身近に父親という総理大臣経験者がいるのは大きいよ。進次郎さんは、くれぐれもお父さんのいい処だけ見習って、悪い処は受け継がないようにしてね。郵政民営化で結局今の日本はどうなったとか、よーく肝に銘じてさ、いい総理になってほしいよ。

(取材構成:松田健次)