※この記事は2015年01月20日にBLOGOSで公開されたものです

イスラム国によるとみられる、邦人の殺害を警告する内容の動画の公開を受け、安倍総理は20日夕方、イスラエルで会見を行った。安倍総理の冒頭発言の要旨は以下のとおり。

邦人の殺害予告に関する動画が配信されました。このように人命を盾にとって脅迫することは許しがたいテロ行為であり、強い憤りを覚える。2人の日本人に危害を加えないよう、そして直ちに開放するよう、強く要求します。政府全体として人命尊重の観点から、万全を期すよう、対応を指示したところです。

今後も国際社会と連携し、地域の平和と安定のために貢献していきます。この方針は揺るぎない方針であり、変わることはありません。

今、過激主義が国際社会にとって大きな脅威となっています。フランスのテロ事件では、4名のユダヤ人を含む17名の方々が犠牲になりました。あらためて犠牲になった方々とご家族の皆様に心から哀悼の意を表します。
卑劣なテロ行為は反許されない。断固とし非難します。

日本は国際社会と手を携えて参ります。重大な脅威となっている。過激主義に対し、イスラム社会はテロとの戦いを続けています。その先頭に立つヨルダンのアブドゥッラー国王に心から敬意を表します。
日本もイラクやシリアからの難民に支援を出来る限りを行い、2億ドルの支援は地域で家を無くしたり避難民となっている人たちを支援するため、食糧や医療サービスを提供するために人道支援です。まさに避難民の方々にとって最も必要とされている支援であると考えます。

そもそも過激主義とイスラム社会とは全く別のものであります。このことは明確に申し上げておかなければなりません。 「中庸こそ最善である」。中東の言葉通り、この地域は多様な宗教や人種が共存しながら悠久の歴史刻んできました。互いを受け入れ、尊重する。寛容こそがこの地域の平和と安定、さらなる反映をもたらします。

中東の未解決の課題についてもネタニヤフ首相と率直に話すことができました。このあとパレスチナのアッバース議長とも胸襟を開いて語り合いたいと思います。
お互いこれ以上エスカレートさせない、寛容こそが解決の糸口になります。

かつて杉浦千畝という外交官が、自らの心に従い、6000人ものユダヤ人にビザを発給しました。長い旅の末たどり着いた港町、敦賀では町を上げて皆さんを歓迎したそうであります。
時代や世の中は変わっても、人々の中にある寛容の心だけは決して変わらない。私はそう信じています。

そのためにも、貧困など、争いの目は摘み取っていかなければなりません。豊かな社会を築き上げる、そのために積極的な役割を果たしたいと思います。

イスラム国が投稿したと見られる映像