任期満了に伴う栃木市長選挙は17日に投票が行われ、現職の大川秀子さんが新人との一騎打ちを制して再選を果たしました。取材した記者の分析を交えながら改めて選挙を振り返ります。

2018年の選挙で初当選した大川さんは現在74歳。今回の選挙では災害対応など1期目の実績を強調し、新人の高際澄雄さんを退けました。

とちぎテレビと下野新聞社による共同の出口調査では、どちらに投票したかという質問に対し、現職の大川秀子さんがおよそ6割で高際澄雄さんをリードしました。

大川さんは20代以上のすべての年齢層で6割前後の支持を集め、男女別でも同じような結果でした。支持政党別でみますと無党派層からも5割を超える支持を集めています。

一方の高際さんですが、地域別でみると地盤の藤岡地区と、大平地区で6割前後の支持を集めました。しかしながら投票率でみますと数値は52.14%で前回2018年の58.54%を6.40ポイント下回る結果となりました。

70代同士の選挙戦となったことについて憂う声も聞かれたほか、無効票がおよそ1000票余りあったことなどから、どちらも積極的に支持できないと考える有権者が一定数いたとみられます。

今回、大川さんは自民党と公明党の推薦を受け地元の県議会議員3人が支援するなど盤石な組織力を武器に選挙戦に臨みました。ふたを開けてみればおよそ1万5600票という大差での勝利でした

新人の高際さんは政治経験がないなか、SNSを活用しながら草の根で運動を展開。出馬表明の出遅れや、知名度不足などが響いて敗れはしたものの、現市政への批判票などを取り込み、およそ2万5500票を獲得しました。        

選挙戦を通し市民から厳しい現実を突き付けられた大川さん。岩舟総合運動公園内にあるサッカー専用スタジアムを巡る住民訴訟などさまざまな課題を抱えながら次の4年間へ向けてかじを取ることになります。