男と女は全く別の生き物だ。それゆえに、スレ違いは生まれるもの。

出会い、デート、交際、そして夫婦に至るまで…この世に男と女がいる限り、スレ違いはいつだって起こりうるのだ。

-果たして、あの時どうすればよかったのだろうか?

できなかった答えあわせを、今ここで。

今週のテーマは「半年間も曖昧な関係が続いている…これって一体何?」という質問。さて、その答えとは?

▶【Q】はこちら:彼の家のグラスに、濃いリップの跡が。毎週末一緒に過ごしているから安心していたのに…




それは土曜日の夜のことだった。

車で昼から買い出しに行き、僕の家で簡単なつまみを作ってワインを飲みながら映画を見ていると、隣にいた花が僕に問いただしてきた。

「薫くん…。私に何か、言うことない?」
「ん?何が?」
「私たちって、付き合っているのかな」

突然の花の言葉に、一瞬言葉につまる。

僕たちがデートをし始めて、約半年が経つ。お互いフリーで独身。年齢も僕が32歳で花が29歳と近く、気も合う。

だからこうして毎週末なんとなく一緒にいるのだが、核心に迫られるとハッキリ答えられない。

別に交際しても構わない。

けれども、僕が花に対して「付き合おう」と言えないのにはいくつか理由があった。


はっきりと「交際しよう」と言わない男の心理とは?


A1:長く交際した彼女と別れたばかりで、少し遊びたかった


花と出会ったのは、半年前。4年も交際した彼女と別れたばかりで、多くの出会いを求めていた時期だった。

そんなタイミングで出会った花には、出会った当初彼氏がいたので半ば諦めていた。だが彼氏と別れたという連絡があり、2人で食事へ行けることになった。

「じゃあ花ちゃん、別れちゃったの?俺、チャンスじゃん」

可愛いし、性格もいい花。一緒にいると楽しくて、僕の頬はつい緩む。

「チャンスって(笑)。逆に薫くんは、今彼女いないの?」
「うん、いないよ。僕も結構長く付き合っていた彼女と最近別れたばかりで」

一連の流れを説明していると、花はとても驚いていた。

「しかもそのうち、3年間は同棲していてさ」
「そんなに長かったの!?」
「俺、一度付き合うと長いんだよね」

お互いフリーになったばかりで、タイミングもいい。だから僕は、もう一度花を誘うことにした。

「花ちゃん、来週末暇?」
「たぶん予定は何もなかったはず…」
「じゃあ来週もご飯行かない?」

こうして、僕たちは何となく会うようになっていった。




ただ最初から、体が目的などではなかったことだけは声を大にして言っておきたい。惹かれ合っている男女が3回以上デートを重ねたら、いつかは先に進むだろう。自然な流れだった。

「この後、家に来る?」
「じゃあちょっとだけ…」

2軒目の代わりのような感じで、僕の家に誘った。お互いお酒も入っていたし、花とそのまま一夜を明かした。

けれどもこの日を境に、僕は花に対して違う感情を抱くようになった。

体の関係を持っても、彼女から「この関係ってなに?」などといった面倒なことを一切言ってこなかったのだ。

翌日連絡をしてもいつも通りだったし、その次に会った時も何も言わない。

― あれ?これって…。

花のことは好きだけれど、長年交際していた彼女から解き放たれ、しばらく遊びたい気持ちもあった。

なので一旦、花とはこのままの関係を続けることにしたのだ。


男にとって、これぞ都合のいい女…“好き”だけど交際しない理由は?


A2:好きだけど、特定の“彼女”を作ると自由が奪われそうで嫌


そうして曖昧な関係が3ヶ月くらい続いた頃。さすがに痺れを切らしたのか、花は何度か僕にこう聞いてきた。

「薫くん、私たちって付き合ってるのかな?」

たしかに、最近毎週末一緒にいる。前の彼女とは同棲していたのでひとりに慣れていなくて、週末になるとつい花に連絡をしていまう。

でも今すぐに花と交際して、ステディな関係になりたいかと言われたらちょっと違う。今の関係性が、僕にとっては最高だったから。

だから答えはいつも曖昧にしていた。

「まぁ花がそう思うなら、そうなんじゃない?花のことは好きだよ」

しかしそんな関係が続いて半年も経った頃。段々と、僕は他の女性にも目がいくようになり始めた。

なぜなら、花とは交際はしていない。だから僕に自由に選べる権利は残っているはず。

しかし勘のいい花は、何かに気がついたらしい。ある日車に乗ると、急にこんなことを言い始めた。

「ねぇ薫くん。最近、誰か車に乗った?」

思わずドキッとした。実は先週末、ゴルフへ行く際に他の女の子を車に乗せたのだ。

― ヤベ。バレた?

ただこういう時、大半の男はシラを切り通すという行動に出る。

「いや、乗せてないけど?」
「そっか、そうだよね」

そこから花は何も追及してこなかったので、ホッと胸をなでおろした。しかしそれと同時に、こんな気持ちも芽生え始めた。

― あれ?なんで花に縛られてないといけないんだろう?




体の関係も既にあり、半年も過ぎた。

頻繁に会ってはいるけれど、彼女ではない。ただひとり身の寂しい隙間時間を埋めてくれ、呼んだら来てくれる花…。

言い方は非常に悪いけれど、僕にとって最高に都合のいい存在になっていた。

そして僕がより一層、「彼女と正式に付き合いたくないな」と思ってしまう出来事があった。

女友達が一度家に来た翌週。部屋に入った時から違和感を感じていたらしい花の発言に、心底うんざりしてしまったのだ。

「薫くん、誰か家に来たの?」
「来てないよ。なんで?」
「グラスに跡がついていたから」
「何のこと?花のじゃなくて?」
「違うよ。私こんな落としきれないような濃いリップなんて塗らないし」
「俺も知らないよ。面倒くさいな…」

― 僕たち、付き合ってないよね?

好きだけれど、花と“彼氏彼女”になったら束縛されそうで嫌だ。

僕にとって自由な時間は何よりも大事で、束縛をされると一気にさめる。

― 花とは、お互い寂しい時に心の隙間を埋め合うくらいがちょうどいいんだろうな…。

それにタイミングを逃した感じも否めない。もしかすると、もう少し後に出会っていれば…僕がひと通り遊び終わった後に出会っていれば、事態は変わっていただろう。

けれどもそれはすべて仮定の話。

花が僕が落ち着くのを待っているならば話は別だけれど、もう少し他の子を見ながら、僕はまだ羽を伸ばしたい。

だから彼女と付き合うことはないのだ。

▶【Q】はこちら:彼の家のグラスに、濃いリップの跡が。毎週末一緒に過ごしているから安心していたのに…

▶︎NEXT:2月12日 土曜更新予定
男から見た女のポジションは?