男と女は全く別の生き物だ。それゆえに、スレ違いは生まれるもの。

出会い、デート、交際、そして夫婦に至るまで…この世に男と女がいる限り、スレ違いはいつだって起こりうるのだ。

-あの時、彼(彼女)は何を思っていたの…?

誰にも聞けなかった謎を、紐解いていこう。

さて、今週の質問【Q】は?

▶前回:どうすれば次の関係にイケる?進まない関係に悶々とする男に、女が考えていたことは…




私には現在、32歳になる薫くんというデート相手がいる。

共通の知人を介して知り合ったのが約半年前のこと。そこから何となくデートをする間柄になり、気がつけば毎週末一緒にいるようになっていた。

私としては、彼とステディな関係だと思っていた。

しかし最近、「付き合おう」とハッキリ言葉にしてもらっていないことを、不安に感じている。

「薫くん…。私に何か、言うことない?」
「ん?何が?」
「私たちって、付き合っているのかな」

そう聞いても、彼は明確な答えを避けるのだ。

もちろん半年も一緒にいれば、体の関係もある。ただ彼の家に泊まってもしない日もあるし、一緒に旅行へ行ったり、外でのデートもしている。

体目当てだったらとっくに終わっているだろうし、こんな“彼氏彼女”がするような行動もしていないはず。何よりこうして毎週末一緒にいるのがその証拠。

お互い独身なことは確認済みだけれど、果たしてこの関係は彼にとって何なのだろうか…?


毎週末会うのに「付き合おう」と言わない男は何を考えている?


Q1:最初に誘った時の男の心情は?


薫と出会ったのは共通の知人の紹介だった。しかし当時私は彼氏がいて、最初はあまり彼に興味がなかった。

けれどもその後すぐに破局し、連絡をくれていた薫に返信をしたのが始まりだった。

「じゃあ花ちゃん、別れちゃったの?俺、チャンスじゃん」

初めて2人で食事へ行った日。屈託なく笑う薫に、私は癒された。

「チャンスって(笑)。逆に薫くんは、今彼女いないの?」
「うん、いないよ。僕も結構長く付き合っていた彼女と最近別れたばかりで」

話を聞いていくうちに、数ヶ月前に4年も付き合っていた彼女と別れたばかりだと判明した。

「しかもそのうち、3年間は同棲していてさ」
「そんなに長かったの!?」
「俺、一度付き合うと長いんだよね」

― 意外に一途なんだ…。

薫はカッコイイし稼いでいるし、派手に遊んでいるかと思っていた。けれども話していると彼の真面目さがよくわかり、私はどんどん惹かれていった。しかもちゃんと自分から誘ってくれるタイプだった。

「花ちゃん、来週末暇?」
「たぶん予定は何もなかったはず…」
「じゃあ来週もご飯行かない?」

気がついた時には、私たちは毎週末約束をして会うようになっていた。




薫といると、居心地がよかった。でも私が本気になったのはそれだけが理由ではない。

薫が32歳で私が29歳。年齢的にもステディな人が欲しいし、いずれかは結婚もしたい。今までデートをしてきた雰囲気から考えると、薫とは次のステップに進むんだろうなと思っていた。

だから2〜3回目のデートを終えて、薫から「この後、家に来る?」と誘われた時、私は首を縦にふった。

何度かデートをしてわかったけれど、彼は決して不真面目な人ではない。それに家に行って、他の女性の影がないのか確かめたい自分もいる。

「じゃあちょっとだけ…」

結果として薫の家に他の女性と付き合っている痕跡は一切なく、この夜初めて体の関係を持った。

でもお泊まりした翌日、私は激しい後悔の念にかられる。

― まだ「付き合おう」って言われてないのに、先に体の関係を持っちゃった…どうしよう。

けれどもこの日を境に何かが劇的に変わったわけでもなく、むしろ関係を持った後も薫は頻繁に連絡をくれた。

― あれ?体目当てとかじゃないんだ…。

ただここから、私はこの関係について悩み始めるようになった。


最初に体を許したのが間違いだった?男が考えていたことは…


Q2:体目的じゃないのに?男が半年間もダラダラと女と会う理由は?


体の関係を持ってからも、頻繁に会っていた私たち。

平日に会うこともあったけれど、大体お互いが休みである土日に一緒にいることが多かった。

特別なことをするわけではないけれど、一緒に買い物へ行って、夜ご飯は外食をしたり、彼の家で私が料理をして一緒に食べたり…。

― これって、完全に彼氏彼女だよね?

何度もそう思ったし、むしろ周囲の女友達などに聞くと「それは完全に付き合ってるね」と言われる。けれどその手の質問をしても、薫は毎回ハッキリ答えない。

「薫くん、私たちって付き合ってるのかな?」

半年の間に、何度そう聞いただろうか。でも毎回答えは一緒だった。

「まぁ花がそう思うなら、そうなんじゃない?花のことは好きだよ」

私のことが「好き」とは言ってくれる薫。

曖昧なまま時間だけが過ぎていったけれど、これだけ一緒に時間を過ごしているわけだし、ほぼ交際しているようなものだと思っていた。

しかし最近、ザワつくことが増えた。

まず薫の車に乗った時のこと。助手席の位置が、妙に前のほうに移動していたのだ。




男性が乗った場合、助手席は後ろに引く。けれども身長の低い女性が乗ると、必然的に前に引くことになる。

私の身長は165cmと女性の平均身長より少し高いため、助手席は若干後ろに引いていた。

― ん?女性を乗せたのかな…。

「ねぇ薫くん。最近、誰か車に乗った?」

先週末は、彼がゴルフだったため会っていなかった。その日は昼間に連絡をしたけれど、返信が来たのは夕方だったっけ…。

「いや、乗せてないけど?」
「そっか、そうだよね」

助手席くらい、動かすこともあるだろう。そう思っていたけれど、私の胸のザワザワはおさまらなかった。

決定打となったのは、薫の家にあったグラスについていたリップの跡だ。

たぶん、薫は気がついていない。洗ったつもりだったのかもしれないけれど、落としきれていない口紅の跡がワイングラスに残っていたのだ。

「…何これ?」

他の女を、家にあげたのだろうか。

「薫くん、誰か家に来たの?」

勇気を振り絞って聞いてみたけれど、薫は完全に否定している。

「来てないよ。なんで?」
「グラスに跡がついていたから」
「何のこと?花のじゃなくて?」
「違うよ。私こんな落としきれないような濃いリップなんて塗らないし」
「俺も知らないよ。面倒くさいな…」

明らかに機嫌が悪くなる薫を見て、これ以上追及しないほうがいいことだけはわかった。

一応、私と薫はほぼ毎週末会っている。連絡も頻繁に取り合っているし、ちゃんと「好きだよ」とも言われている。

ただのワンナイトではない。半年間も、体の関係以上の関係性がある私たち。

だから本人が違うと言っているならば違うのかもしれない。彼が言っているように何もないのかもしれない。

ただ、そもそも私のことを何だと思っているのだろうか。

一体彼が何をしたいのかわからず、どうすればいいか悩んでいる…。

▶前回:どうすれば次の関係にイケる?進まない関係に悶々とする男に、女が考えていたことは…

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男から見た女のポジションは?