「この男、自分本位そう」と女がジャッジする、男の言動
男と女は全く別の生き物だ。それゆえに、スレ違いは生まれるもの。
出会い、デート、交際、そして夫婦に至るまで…この世に男と女がいる限り、スレ違いはいつだって起こりうるのだ。
-果たして、あの時どうすればよかったのだろうか?
できなかった答えあわせを、今ここで。
今週のテーマは「いい感じだったのに、“友達でいよう”と言われた理由は?」という質問。さて、その答えとは?
▶【Q】はこちら:どうすれば次の関係にイケる?進まない関係に悶々とする男に、女が考えていたことは…
淳平は、もともとは私の中で“友達枠”。
最初に彼に出会った時、私には4年ほど交際している彼氏がいた。しかし結婚目前までいったのに、昨年末破局。
結婚できると信じていただけにショックは大きかったけれど、立ち止まっている暇はない。その間にも時間は過ぎていくし、残酷にもキッチリ歳は取っていく。
そこで以前からの友人に連絡しようとしたとき、思い出したのが淳平だった。
連絡をすると淳平からはすぐに返事が来て、飲みに行くことになった。一緒にいると楽しいし、楽だ。男として見られないわけでもない。
でもデートを重ねていくなかで、“この人とはそういう関係になりたくないな”と思い始めた。
女が日常生活の中で“この男、自分本位そう…”と思う瞬間とは!?
A1:歩くスピードが早い。
淳平にLINEを送った後、すぐに会うことになった私たち。
「淳平、久しぶりだね!元気にしてた?」
「うん、元気だったよ。連絡ありがとう」
(そう言いながら、なぜか私の胸のほうをチラッと見た気がするけれど)久しぶりに会う淳平はあまり変わっていなかった。
「急に淳平の顔が浮かんで♡そういえば、2人で会うのって初めてじゃない?」
「本当だね。連絡くれて、嬉しかったよ」
笑顔で優しく私の話を聞いてくれる淳平に対し、そんなことをふと想像する。
― 今は友達だけど、淳平と交際したらきっと優しくていい彼氏になるんだろうなぁ。
「で、淳平は?最近どうなの?」
「仕事は順調かな。でも副業が解禁されたから、新たなことを始めようと思っているんだよね」
「そうなんだ!どんなことをするの?」
熱意を持って話そうとする淳平の話を真剣に聞こうとしていると、彼が急にニヤッと笑う。
「麻里って本当、可愛いね」
「どうしたの、突然。ありがとう(笑)」
こんな会話がサラリとできる関係も、悪くない。そしてこの後2人でよく会うようになり、徐々に淳平のことがわかってきたのだ。
あれは何度目かの、2人で食事をした帰り道のこと。1月の東京は寒くて、レストランから出た私は思わず身震いをする。
「はぁ寒いね…」
そう言いながら隣を見ると、さっきまでいたはずの淳平がいない。気がつけば、彼はひとりでスタスタと先を歩いていたのだ。
― え?嘘でしょ?
慌てて追いかけるものの信号が赤になってしまい、私は青山通りの交差点でひとり、ため息をつく。
― 振り返りもしないってどういうこと…?
ようやく私のことに気がついたのか、信号越しに淳平が呑気に手を振っている。私は引きつった笑顔で、恨めしく手を振り返した。
「淳平、歩くの早いよ〜。信号が変わっても気がつかないし」
「あぁ、ごめんごめん。考え事していて」
デート相手のことをまったく考えもせずに自分のペースで歩いていく男って、どうなんだう。
― そもそも、歩くスピード早くない?もう少し、こちらに合わせてくれてもいいのに…。
でも私の思いなんて全く気づかない淳平は、急に私の手をぎゅっと握ってきた。
「麻里、今って彼氏いないんだよね?」
「うん、いないよ。ご存じの通り、別れちゃったからね。淳平は?」
「僕もいない」
「……」
別に、嫌いなわけではない。それに淳平と一緒にいると楽しいし、話も合う。外見だってカッコいい部類に入るはず。
そんなことを考えていると、淳平は神妙な面持ちでこんな告白をしてくれた。
「麻里、僕たち付き合わない?」
彼の表情から、真剣なことが伝わってくる。
「淳平のこと大好きだけど、この前別れたばかりだからな…。少しだけ、時間もらってもいい?」
「うん、もちろん」
少しだけ時間をもらって、ちゃんと考えることにした。でも時間をもらって良かったと、後に思うことになったのだ…。
女が「あ、この男ナシだな」と判断した理由は意外なところにあり…
A2:車の運転が下手な男性は、色々下手そう…。
告白を受けてからしばらくして、以前から約束していたゴルフへ行く日がやってきた。この日は4人でラウンドをする予定で、私と淳平、そしてあとの2人という配車になった。
「淳平、ピックアップありがとう」
「いえいえ。これくらいのこと、喜んで」
朝早くから、私の家の下まで迎えに来てくれた淳平。この日まで、私は淳平の告白に対して前向きな返事をしようかと思っていた。
でもこの日で、私の意思は変わることになる。
「淳平って、車持っていたんだね」
「うん、一応。週末しか使わないけどね」
話に夢中になっているせいか、信号が青信号に変わっても淳平は気がつかない。
「都内にいると、そうなるよね…って淳平、信号変わったよ(笑)」
そう注意すると、いきなり急発進をしたのだ。
この時から少し嫌な予感はしていたけれど、この後渋滞にはまると、淳平は苛立ちを募らせていく。
「うわ。渋滞か…。最悪だな」
「本当だ。でも早く出てきて良かったね。渋滞はここから3kmくらいしかないから、ティーアップの時間には余裕で間に合うよ」
「そっか、なら良かった」
しかし口ではそう言っていたものの、渋滞にはまった彼は途端に機嫌が悪くなり、頻繁に車線変更をし始めた。
しかもその度にブレーキとアクセルを荒く繰り返すため、助手席に座っている私は酔ってしまった。
「そんなに急いでも到着時間は変わらないだろうし、大丈夫だよ。それより車線変更が多いと酔っちゃうから、この車線で走ろうよ」
「そう?少しでも早く着いたほうがいいかなと思って」
「変わらないでしょ(笑)」
― あなたの運転が下手だから酔ってるんです!!
そう言いたいけれど、運転してもらっている以上文句も言えない。それに、“運転が下手”と直接言うと男性のプライドが傷つきそうだ。
ようやく渋滞を抜け、通常通り走れるようになって私は心底ホッとする。
「良かった、間に合いそうだね」
「だから言ったじゃない…淳平、運転気をつけてね」
「わかってるよ。ちゃんと安全運転で行くから」
― 帰りもこの車に乗るのか…憂鬱だな。
そう思った。そして無事にゴルフを終え、帰りも下手な運転の車に揺られていると、淳平から食事の誘いがあった。
「麻里、この後どうする?どこかご飯でも行く?」
「いいね、そうしようか」
今日で、私の気持ちはほぼ固まった。
そして夜ご飯を一緒に食べながら、考える。今日は焼肉に来たのだが、私がお肉を焼くのは当たり前のような感じだった。
いい人なことに違いはない。でもそれは友達としてはいいというだけで、彼氏としていいかと聞かれればまた違う気がする。
「今日のゴルフも楽しかったね」
「だね。でも18番ホールの池ポチャ、残念だったね(笑)」
「本当それ。惜しかったなぁ〜」
ゴルフは人柄が出るというけれど、車の運転にも相当人柄が出ると思う。
また女性は「車の運転が、上手い男性が好き」という人が多い。
今までそんなこと考えたこともなかったけれど、今日淳平の運転する車に乗って、初めてその意味がわかった。
申し訳ないけれど、あんな下手な運転をしている男性は、“きっといろいろ下手なんだろうな…”と思ってしまう。
「車と女性の扱いは似ている」とはよく言ったものだ。
歩くスピードもそうだし、どこか自分本位。交際したらそれはきっと、さらに強くなるだろう。
一見優しいけれど、実はワガママで亭主関白っぽい性格が、ちょっとした日常の行動の中で見えた気がする。
「淳平。やっぱり、友達でいよう。私たちはそれが一番いいよ」
付き合う前にゴルフへ行くこと。そして彼の運転している様子を見ること。自分で焼くタイプの焼き肉店に一緒に行くこと。
そうすると、隠されていた本性が出てくると思う。
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帰り道にそっと手を握ってきた男に対し…