(画像: ANA Xの発表資料より)

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 ANA X(東京都中央区)が2021年12月から、徒歩や電車などあらゆる移動でマイルに交換可能なポイントが貯まるモバイルアプリサービスを開始する。名称は「ANA Pocket(エイエヌエーポケット)」。ANAグループでは非航空収入の拡大を目指しており、同サービスはその一環。

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 飛行機での移動だけでなく、徒歩や自転車、電車、自動車など日常生活での移動全てが対象となる。距離や手段に応じてポイントが付与され、貯めたポイントは航空・旅行割引に利用できるマイルやANAスカイコインに交換できる。デジタルギフト券とも交換可能だ。

 移動データを記録して見える化し、利用者が移動への関心を高めるようにもする。AIで解析も行い、環境に配慮した健康的な移動を支援する機能もある。また、ゲーム性をもたせて楽しみながら行動変容を促したり、ポイント交換時にはいわゆる「ガチャ」などの仕掛けも備えて利用者を飽きさせない工夫も凝らした。

 新型コロナウィルス感染症拡大の影響を受けて、航空機の利用機会が激減した。ANAグループは旅行や航空を主業としてきたが、そうした「非日常」の移動だけでなく、日常的な移動まで事業ドメインに含める。

 未曾有の航空業界不況の中、ANAグループはビジネスモデルを大きく変革しようとしている。2021年4月には、ANA XとANAセールスの事業を再編。ANA Xをプラットフォーム事業会社にし、新たに地域創生事業会社「ANAあきんど」を立ち上げて新たなスタートを切った。

 新体制で標榜しているのは「マイルで生活できる世界」だ。「ANAスーパーアプリ」を立ち上げて、航空だけでなく日常生活でもマイルが獲得できるようにする。消費者が町中やネット上のあらゆる場所でマイルを貯めたり使ったりできるようにしたい考えだ。

 「ANA Pocket」は、マイルで生活できる世界を具現化する第二弾の試み。第一弾としては、2021年7月に「ANAでんき」という生活インフラのサービス提供を開始している。