モラハラ夫は最初からモラハラ。16年間耐えた彼女の物語
モラハラ夫や義母のいびり、子育てについてTwitterに投稿して共感を呼んでいるmaronさん。フォロワー20万人の応援を受け、書籍も出版しています。
今回は、maronさんが16年間耐えたモラハラについて語っていただきました。
モラハラ夫が変わるかも…。16年間期待し続けてしまった(※写真はイメージです。以下同じ)
「いつか夫は変わってくれるかもしれない」。モラハラ夫を持つ妻はそんな一縷の希望を捨てられず旦那の機嫌を取り、“夫が怒るのは私のせいなんだ”と自分を責める人が多いです。
じつは私も16年間モラハラ夫の機嫌を取り続け、いつの日か結婚前の優しさを取り戻してくれるはず…と頑張り続けてきました。
しかし一度発動したモラハラは生涯改められることがありません。
まれに妻や子どもへのモラハラに気付き改心して家族仲を取り戻す夫もいますが、ほとんどの“モラ夫”は自分の非を認めないでしょう。
私は関東の外れに住むアラフォー主婦です。長年に渡り夫の超絶モラハラと闘い、現在は娘2人を連れて別居しています。
そんな私がTwitterのフォロワーさんなどからよくいただくのは「旦那さんのモラハラを見抜けなかったの?」というご意見。
そうなんです、うちのモラハラ旦那は結婚前“好青年”に擬態していました。
今回は、交際当時に垣間見えたモラハラの片りんと、結婚後どのような過程で彼が“モラハラ王”にまで上り詰めたのかを紹介します。
結婚前の旦那はとても優しい男性でした。でも今思えばいささか優しすぎた、言い換えると口先だけの男だったと思います。
・口先その1:「将来は縁側で一緒にお茶を飲もうね」=漫画の世界? サザエさん一家のイメージ?
・口先その2:「専業主婦で好きなことをして暮らしてね」=その代わり月に3万円で全部やりくりさせられる
・口先その3:「オレは家族を大切にする」=旦那にとっての家族は義母と義父、義弟のみ。私と娘2人はオマケ。
20代後半に結婚した私は若かった…未熟だったと思いたいです。しかし友達に言わせると「男を見る目がない」だけだそうです。言い返す言葉がありません。
とはいえ彼が優しい青年だったことは間違いなく、会社の同僚や先輩の評判は上々でした。「アイツなら心配ない」皆口をそろえてそう言ったのです。
一般的な結婚式を挙げ、ありきたりな新婚旅行を終えた私たちの新婚生活が始まりました。
しかし新居へ引っ越したその日、旦那の様子がおかしくなりました。
「疲れたね」と話しかけても返事が返ってきません。
聞こえなかったのかと思い「疲れたね、肩でも揉もうか?」と話しかけると、「もういい、寝る」と中学生男子のような返答が返ってきました。
疲れているのかと思いそっとしておきましたが、その日を境に旦那は豹変してしまったのです。
まず始まったのが“無言の圧力モラ”です。別名サイレントモラハラと呼ばれるこの方法は、理由もなく不機嫌になり相手を無視、相手が悪いと思わせ罪悪感を植えつける手法です。
新婚なのに旦那との会話はほぼなし…。私は戸惑いました。そして「体調が悪いなら相談してほしい。あなたが心配」と真剣に訴えました。
すると旦那の答えは驚くべきものでした。「別に、これが本当のオレだから」。本当のオレ…この瞬間私は今まで味わったことのない嫌な予感がしました。
こんな悶々とした生活の中、長女が生まれ忙しい毎日を送っていました。当時の夫は幼い長女がかわいかったらしく、写真を撮ったり公園へ行ったりと子煩悩な一面を見せていました。
「結婚前の旦那に戻ってくれるかもしれない」、私は淡い期待を抱きます。
しかし旦那は相変わらず週に5日飲みに行き、掃除や家事にダメ出しをしてきます。
共働きなのに…そんなセリフは怖くて言い出せません。
そんな中、旦那から恐怖の話が持ち上がります。「二世帯住宅を建てるので頭金を出してほしい。お前も親孝行したいだろ?」。
突っ込みどころが多すぎてなにも言えない私を無視して盛り上がる旦那(と義母)。さすがに半年以上抵抗し、結局私が切れて頭金は出さなかったのですが、私の実家への電話攻撃が始まり、とうとう二世帯同居を承諾してしまったのです。そしてこれが本当の地獄の始まりでした。
今までは“少し変わっている”程度にしか思っていなかった義母が、同居を開始してから“超変わった人、むしろ鬼”に変わりました。義母は旦那より数倍強力なモラハラ義母だったのです。旦那と義母の距離が近くなったことで私への風当たりはマックスとなります。
旦那「おいおい、だれのおかげで暮らせてるんだ」
義母「そうよ、こんなにいい生活させてもらって」
旦那「掃除ひとつもまともにできないんだぜ、コイツ」
義母「あらあら…母としても妻としても失格ね」
こんなドラマでしか聞けないような会話が毎日繰り返され、旦那は「嫌なら出ていけ! 離婚だ!」と怒鳴り散らしました。
そのうち娘たちもモラハラのターゲットとなりました。機嫌の悪い日は「お前のカバンにはゴキブリがいる」「下手くそなピアノを弾くな。耳が痛い」と長女に当たり、幼い次女が旦那の不注意で大けがをしても「オレのせいじゃない」と責任逃れする始末。
この頃から私は離婚を考えはじめました。
そもそもモラハラの原因はなんなのでしょうか? ちょっと調べてみると日本だけでなく世界中にモラハラ夫がいるようです(中にはモラハラ嫁もいますが)。
うちの旦那の場合、義母との依存関係、いうなればマザコン気質が関係しています。自宅のソファーの場所を動かすだけでも義母に電話して了承を得る旦那。そんな絶対的信頼をおく義母を女帝として君臨させるためには、私のような奴隷的嫁が必要なのかもしれません。
そしてもうひとつ、義母と旦那の頭にこびりついた男尊女卑の思想も問題です。女は男を立てる、一歩下がるなど古風な考えが原因かもしれません。
とはいえ、一度モラハラを発動した人は生涯モラを貫く人がほとんどです。私のように16年間も「いつか旦那はわかってくれる」と幻想を抱き人生を無駄にするのは馬鹿げています。モラハラからは“逃げるが勝ち”なのです。
時間がかかりましたが私もモラハラ親子から逃げ出し、娘たちと人生を取り戻すために奮闘しています。今でも旦那から受けたモラハラを思い出し動悸がすることがありますが、ゆっくり癒していこうと思います。
そしてモラハラ夫と別居した現在、とても幸せです。
モラハラ旦那&義母と闘うアラフォー主婦。Twitter(@maron99668508
)のフォロワー数は20万人を超える。著書に『ウチのモラハラ旦那&義母、どーにかしてください! 闘う嫁のサバイバル術
』(KADOKAWA刊)。ブログ「maronの日常オフィシャルブログ
」やインスタ(@maron_matome
)、note『maronの秘密の部屋
』を更新中
今回は、maronさんが16年間耐えたモラハラについて語っていただきました。
モラハラ夫が変わるかも…。16年間期待し続けてしまった(※写真はイメージです。以下同じ)
夫と義母のモラハラに16年間耐えた。無視の次は「だれのおかげで暮らせているんだ」
じつは私も16年間モラハラ夫の機嫌を取り続け、いつの日か結婚前の優しさを取り戻してくれるはず…と頑張り続けてきました。
しかし一度発動したモラハラは生涯改められることがありません。
まれに妻や子どもへのモラハラに気付き改心して家族仲を取り戻す夫もいますが、ほとんどの“モラ夫”は自分の非を認めないでしょう。
●どのようにして夫は“モラハラ王”にまで上り詰めたのか
私は関東の外れに住むアラフォー主婦です。長年に渡り夫の超絶モラハラと闘い、現在は娘2人を連れて別居しています。
そんな私がTwitterのフォロワーさんなどからよくいただくのは「旦那さんのモラハラを見抜けなかったの?」というご意見。
そうなんです、うちのモラハラ旦那は結婚前“好青年”に擬態していました。
今回は、交際当時に垣間見えたモラハラの片りんと、結婚後どのような過程で彼が“モラハラ王”にまで上り詰めたのかを紹介します。
●月に3万円で全部やりくりさせられる
結婚前の旦那はとても優しい男性でした。でも今思えばいささか優しすぎた、言い換えると口先だけの男だったと思います。
・口先その1:「将来は縁側で一緒にお茶を飲もうね」=漫画の世界? サザエさん一家のイメージ?
・口先その2:「専業主婦で好きなことをして暮らしてね」=その代わり月に3万円で全部やりくりさせられる
・口先その3:「オレは家族を大切にする」=旦那にとっての家族は義母と義父、義弟のみ。私と娘2人はオマケ。
20代後半に結婚した私は若かった…未熟だったと思いたいです。しかし友達に言わせると「男を見る目がない」だけだそうです。言い返す言葉がありません。
とはいえ彼が優しい青年だったことは間違いなく、会社の同僚や先輩の評判は上々でした。「アイツなら心配ない」皆口をそろえてそう言ったのです。
●結婚後、急に始まった夫からの無視
一般的な結婚式を挙げ、ありきたりな新婚旅行を終えた私たちの新婚生活が始まりました。
しかし新居へ引っ越したその日、旦那の様子がおかしくなりました。
「疲れたね」と話しかけても返事が返ってきません。
聞こえなかったのかと思い「疲れたね、肩でも揉もうか?」と話しかけると、「もういい、寝る」と中学生男子のような返答が返ってきました。
疲れているのかと思いそっとしておきましたが、その日を境に旦那は豹変してしまったのです。
まず始まったのが“無言の圧力モラ”です。別名サイレントモラハラと呼ばれるこの方法は、理由もなく不機嫌になり相手を無視、相手が悪いと思わせ罪悪感を植えつける手法です。
新婚なのに旦那との会話はほぼなし…。私は戸惑いました。そして「体調が悪いなら相談してほしい。あなたが心配」と真剣に訴えました。
すると旦那の答えは驚くべきものでした。「別に、これが本当のオレだから」。本当のオレ…この瞬間私は今まで味わったことのない嫌な予感がしました。
●義実家との二世帯住宅が地獄の始まり
こんな悶々とした生活の中、長女が生まれ忙しい毎日を送っていました。当時の夫は幼い長女がかわいかったらしく、写真を撮ったり公園へ行ったりと子煩悩な一面を見せていました。
「結婚前の旦那に戻ってくれるかもしれない」、私は淡い期待を抱きます。
しかし旦那は相変わらず週に5日飲みに行き、掃除や家事にダメ出しをしてきます。
共働きなのに…そんなセリフは怖くて言い出せません。
そんな中、旦那から恐怖の話が持ち上がります。「二世帯住宅を建てるので頭金を出してほしい。お前も親孝行したいだろ?」。
突っ込みどころが多すぎてなにも言えない私を無視して盛り上がる旦那(と義母)。さすがに半年以上抵抗し、結局私が切れて頭金は出さなかったのですが、私の実家への電話攻撃が始まり、とうとう二世帯同居を承諾してしまったのです。そしてこれが本当の地獄の始まりでした。
●「母としても妻としても失格ね」。夫と義母のモラハラ劇場
今までは“少し変わっている”程度にしか思っていなかった義母が、同居を開始してから“超変わった人、むしろ鬼”に変わりました。義母は旦那より数倍強力なモラハラ義母だったのです。旦那と義母の距離が近くなったことで私への風当たりはマックスとなります。
旦那「おいおい、だれのおかげで暮らせてるんだ」
義母「そうよ、こんなにいい生活させてもらって」
旦那「掃除ひとつもまともにできないんだぜ、コイツ」
義母「あらあら…母としても妻としても失格ね」
こんなドラマでしか聞けないような会話が毎日繰り返され、旦那は「嫌なら出ていけ! 離婚だ!」と怒鳴り散らしました。
そのうち娘たちもモラハラのターゲットとなりました。機嫌の悪い日は「お前のカバンにはゴキブリがいる」「下手くそなピアノを弾くな。耳が痛い」と長女に当たり、幼い次女が旦那の不注意で大けがをしても「オレのせいじゃない」と責任逃れする始末。
この頃から私は離婚を考えはじめました。
●モラハラからは“逃げるが勝ち”
そもそもモラハラの原因はなんなのでしょうか? ちょっと調べてみると日本だけでなく世界中にモラハラ夫がいるようです(中にはモラハラ嫁もいますが)。
うちの旦那の場合、義母との依存関係、いうなればマザコン気質が関係しています。自宅のソファーの場所を動かすだけでも義母に電話して了承を得る旦那。そんな絶対的信頼をおく義母を女帝として君臨させるためには、私のような奴隷的嫁が必要なのかもしれません。
そしてもうひとつ、義母と旦那の頭にこびりついた男尊女卑の思想も問題です。女は男を立てる、一歩下がるなど古風な考えが原因かもしれません。
とはいえ、一度モラハラを発動した人は生涯モラを貫く人がほとんどです。私のように16年間も「いつか旦那はわかってくれる」と幻想を抱き人生を無駄にするのは馬鹿げています。モラハラからは“逃げるが勝ち”なのです。
時間がかかりましたが私もモラハラ親子から逃げ出し、娘たちと人生を取り戻すために奮闘しています。今でも旦那から受けたモラハラを思い出し動悸がすることがありますが、ゆっくり癒していこうと思います。
そしてモラハラ夫と別居した現在、とても幸せです。
【maronさん】
モラハラ旦那&義母と闘うアラフォー主婦。Twitter(@maron99668508
)のフォロワー数は20万人を超える。著書に『ウチのモラハラ旦那&義母、どーにかしてください! 闘う嫁のサバイバル術
』(KADOKAWA刊)。ブログ「maronの日常オフィシャルブログ
」やインスタ(@maron_matome
)、note『maronの秘密の部屋
』を更新中