知っていますか? 秋は、梅雨から夏にかけて大量に繁殖したダニのフンや死骸が室内に増える時期。そのまま放っておくと「ダニアレルギー」を引き起こす原因にも…。そこで、これまでESSEonlinenで紹介した記事の中からこの時季に役立つダニ対策の記事をまとめました。
ダニ以外にも秋に注意したい害虫とその対策法もあるのでぜひチェックを!

アレルギー予防に!ダニ対策殿堂入り記事まとめ



●ダニの死骸やフンを取り除く正しい掃除法




「ダニは梅雨どきに注意しておけば大丈夫」と思いがちですが、秋は大量に繁殖したダニのフンや死骸が室内に増える時期。フンや死骸を吸い込むことで、ダニアレルギーを引き起こすリスクが一気に高まるのです。こうしたリスクを考慮した、正しい掃除の仕方を専門家に聞いてみました。

「死骸やフンはホコリに含まれることが多いので、ホコリが残らないよう、掃除は正しい手順で行うことが大切です。人が歩いて空気が動くと舞い上がったホコリを吸い込んでしまうため、朝いちばんか、外出して帰宅後すぐに掃除をするのがよいでしょう」。こうアドバイスしてくれたのは、清掃関連の広報業務を長年行う古屋さん。

舞い上がったホコリはゆっくりと落ちていくため、床に落ちきったころを見計らって取り除くのが効率的なのだそう。また、ホコリを残さずに掃除するには、使う道具と利用手順も大切です。

「まず、床をモップでふいてホコリを吸着させ、次に掃除機でゴミを吸い取ります。掃除機を使うと、排気でホコリが舞い上がるので、必ずモップを先に使うこと。モップは布製、紙のシートタイプのどちらでもよく、吸着剤のついたもののほうが、ホコリの取り残しが少なくなります。一方、濡れたモップでふくと、水分に含まれたホコリが床に残ってしまうことに。必ずドライモップを使うことを心がけましょう」

畳もこの方法でケアできます。「その際、モップも掃除機も、畳の目に沿ってかけることが大切です」。

●ダニのフンがいちばん多いのは、寝室!




ダニアレルギーの症状はダニそのものではなく、ダニのフンや死骸が原因だと言われています。
「死骸は乾燥して砕けるので、生きているダニよりも微細になります。しかも、1匹あたり1日に約6個のフンをするため、生息期間(約3か月間)に約500個のフンを室内にまき散らすことになります」と古屋さん。家の中でダニのフンが多い場所や掃除方法について教えてもらいました。

【ダニのフンが多い場所ワースト5!】
1.電気敷毛布…266.3μg/g
2.布団…236.0μg/g
3.ベッド…118.7μg/g
4.クローゼット…108.3μg/g
5.敷パッド…103.0μg/g

【ダニのフンや死骸掃除3つの法則】
1.ホコリを舞い上げない
2.温度と湿度をコントロールする
3.布団のダニを掃除機で除去

●ベッド下は要注意!寝室のダニ対策




日々掃除をしていても、ダニの温床として見落としがちな場所が、寝室やクローゼット。カビ・ダニ博士の川上裕司さんが読者のお宅にお邪魔して、見落としがちな場所を徹底チェック。また、その対策を掃除のプロ・高橋敬子さんに教えてもらいました。

<ベッドの下>綿ボコリはダニのすみか。寝具にカビがつくことも
ベッドの下の綿ボコリは、ダニの生息ゾーン。
「空気がよどむとさらに増殖することに。下にはものを置かず、通気性を確保して」(川上さん)
ベッド回りが湿気るとベッドマットなどにもカビがつく危険もあるので注意です。

【退治法】
ベッドを動かし、壁際にたまったホコリも残さず掃除機で吸い取ります。ベッドマットやベッドの底板についたカビは、布+消毒用エタノールで押さえるようにして殺菌します。
【予防法】
ベッドの下は収納ボックスなどを置かず、掃除がしやすい環境に。北向きの寝室では、ベッドの壁側がカビやすくなるので、ベッドマットの位置を定期的に変えるといいでしょう。

<布団>湿気やすく、ダニが大量発生しがち。こまめに天日干しを
汗や髪の毛など栄養源がたっぷりあり、潜みやすいのが布団です。「ダニが好む場所の代表格。ひと晩じゅう顔や体が触れるので、ダニ対策はマスト」と川上さん。

布団のダニの死骸も掃除機で残さず吸い取る定期的な天日干しはもちろん、ダニの死骸も掃除機で残さず吸い取ることが必要になります。

【退治法】
布団は4〜5時間以上、天日干しにしたあと、表面に掃除機を丁寧にかけます。布団専用ノズルを使うのがベストですが、ない場合はヘッドに生ゴミ用のネットをかぶせてもいいでしょう。
【予防法】
朝起きたら布団はすぐにしまわず、イスなどにかけ、湿気を飛ばしてから押し入れへ。定期的な天日干しも習慣にし、シーツや枕カバーをこまめに洗濯することも大切です。

●秋に注意したい虫と対策法




害虫と言えば夏のイメージですが、虫博士の亀崎宏樹さんによると、ダニのほかにも秋にも注意したい家の中に発生する害虫がいるそう。その種類と対策法を教えてもらいました。

<コクゾウムシ>別名・米食い虫とも呼ばれる穀類が大好物
生態:体長3mm程度。象のような長い鼻をもち、米びつなどに湧く害虫。気温が20〜30℃で湿度が高い環境が大好きで、1匹いるだけで、すぐに大量発生する場合も。寒さに弱いので冷暗所での保管を。高温多湿を好み、エサを求めて飛んで家に侵入します。米粒の中心に卵を産み、幼虫は米を食べて成長するので、米がスカスカに!

【対策法】
米びつには虫よけ対策にトウガラシを入れる、また冷暗所や冷蔵庫の野菜室などで保管しましょう。さらに、お米はまとめ買いはせず、短期間で消費できる量をこまめに買う方がいいでしょう。

<シバンムシ類>小麦粉や乾麺から本、畳などなんでも食べちゃう
生態:漢字は「死番虫」。人を刺したり、吸血したりすることはないですが、小麦粉や乾麺が入っている袋まで破るほど食欲旺盛。全国的に発生します。超雑食性であらゆる乾燥食品を食べます。干しシイタケやそうめん、ビスケットなどの乾燥食品、とくに植物性のものが大好物。気づかぬうちに増殖していることが多いので要注意です!

【対策法】
粉ものは袋の口をしっかり閉じるのはもちろん、夏の間は冷蔵庫に保管しておくのがおすすめ。また、ダンボールにすみつく場合もあるので、取り置きはせずに、すぐに捨てるようにしましょう。

●虫を寄せつけない「衣替え」の方法




涼しくなったこの時季に本格的に衣替えをする人も多いのでは。虫食い対策には防虫剤を使えば十分と思われがちですが、オフシーズンの服を守るためには、しまう前のひと手間と防虫剤を正しく使うことが大切。専門家から詳しくアドバイスを聞いてみました。

そもそも衣替えには好ましい日があると教えてくれたのは、エステー研究グループ・川嵜礼央さん。「衣類害虫は湿気を好むので、衣替えは湿気の少ないカラッと晴れた日にするといいでしょう。服はしまう前に必ず洗濯し、しっかり乾かしてください。衣類スチーマーなどをかけた場合も同様です」。

また、防虫剤の使い方にも重要なポイントがあるとか。

「防虫剤の防虫成分は空気より重いので、できるだけ上の方に置くのが基本です。収納ケースやタンスの中に入れるなら、服のいちばん上に。服同士の間に入れても、効果は期待できません。洋服をつめ込みすぎると防虫成分が行き渡らないので、服の量は収納スペースの8割を目安にします。クローゼットの中で使うなら、空気中への拡散を考えて端やすみではなく、できるだけ左右の中心に置くのがポイントです」

 組み合わせによっては服にシミをつけてしまうこともあるので、防虫剤の注意書きを読んでおくことも大切。また、有効期限が切れていないかのチェックも忘れずに。

<文/ESSEonline編集部>