【料理別】玉ねぎの切り方総ガイド!コツや注意点も解説

玉ねぎは切り方で味わいが変わる!

玉ねぎは、切り方によって食感や味わいが大きく変わります。玉ねぎの切り方のポイントは、繊維の方向。 繊維に沿って切ると、シャキシャキッとした玉ねぎの食感を生かせます。加熱しても形が崩れにくく、火の通りはゆっくり。

炒め物やスープ、マリネなどで玉ねぎの食感を楽しみたい料理にぴったりです。牛丼や肉じゃが、シチューなど玉ねぎの形を残したい料理のときにもおすすめ。

一方で繊維を断ち切るように切れば、細胞が壊れるため食感はとろりとやわらかくなり、玉ねぎの甘味を引き出しやすくなります。短時間で火が通り煮崩れしやすいのが特徴。

バーベーキューやフライ、またビーフストロガノフのような煮込み料理など玉ねぎの甘味や旨味を味わいたいときに向いていますよ。

まずは下処理から。玉ねぎの皮のむき方と芯の取り方

玉ねぎの皮のむき方

1. お尻をカットする

玉ねぎはお尻の部分をカットし、頭の部分は皮が一枚繋がった状態でカットします。

2. 下方向に引っ張る

繋がった部分を下方向に引っ張って、ゆっくりとはぎます。

3. 皮をはがす

皮がむけた部分から、横向きにゆっくりとはがしていきます。

つるりときれいに皮がむけますよ。

玉ねぎの芯の取り方

1. カットする

玉ねぎは半分にカットします。

2. 芯を取る

根元の芯の部分に方向を変えて包丁を入れて芯を除きます。

芯に左右から包丁を入れ、指でつまむとポロッととれますよ。

目的別玉ねぎの切り方

下処理が完了したので、ここからは玉ねぎの切り方をご紹介していきます。薄切りやみじん切り、くし切りと、玉ねぎは料理に合わせて切り方を変えると、食感や味わいがグッと活かせるんですよ。今さら聞けない玉ねぎの基本の切り方や、辛くない切り方のコツなどをご紹介します!

サラダ・加熱用なら基本の【薄切り】

玉ねぎをどのように生かしたいかによって切り方を変えましょう。 繊維に添って切れば、食感や形が残ります。玉ねぎの口当たりを残したい場合や、食感を生かした料理を作りたい場合は繊維に沿う切り方がおすすめ。

加熱すると、しんなりとしつつも食感が残ります。ほかの具材とも絡みやすく、具材としても楽しみたいときにぴったりですよ。

また、オニオンスライスはシャキシャキとした歯ごたえを楽しみたいので、繊維に沿う薄切りが一般的。辛味の少ない新玉ねぎであれば気になりませんが、辛味が苦手な人は、繊維を断つように薄切りすると辛味を和らげることができますよ。

繊維に沿って端から薄くスライスします。

半分に切った玉ねぎの切り口を下にして置き、繊維に沿って端から薄くスライスします。繊維に沿うと、火を通しても型くずれしにくくなります。



実際に、繊維に沿ってスライスした生玉ねぎを食べてみましたが、キリキリとした辛さが口から喉にかけて広がっていきました!シャキシャキとした食感も、繊維を断ち切ったものよりも強く感じられます。刺激的な辛さや強い歯ざわりがお好きな方は、こちらでどうぞ。

繊維を断ってスライスします。

よく切れる包丁で繊維を断ち切るようにスライスすると、玉ねぎ独特の辛みがおさえられ、食感もやわらかくなるので、生でも食べやすくなります!

辛みと臭いの原因は、玉ねぎに含まれる硫化アリル。揮発しやすい成分なので、繊維を断ち切ると空気に触れる面積が多くなり辛みが抜けやすくなるんです。水に溶けやすい性質もあるので、5~10分程度水にさらすことでさらに食べやすくなりますよ。

【野菜ソムリエのワンポイントアドバイス】
稲吉さん:「繊維を断ち切って薄切りした玉ねぎは、煮崩れやすく旨味や甘味が増します。やわらかな食感を楽しめ、カレーやビーフストロガノフを作ると溶ろけるようになじみますよ。お子さんや玉ねぎの食感が苦手な人には、繊維を断ち切る切り方で調理すると、気にならなくなります。肉じゃがやカレーでも、玉ねぎがとろけた方が好きな方はこの切り方がおすすめです」

ハンバーグやソースには【みじん切り】

みじん切りは、玉ねぎの甘味や旨味がもっとも出やすい切り方。玉ねぎはみじん切りすることで、水分や辛味成分が出やすく、ほかの食材とよくなじみます。ハンバーグやソースなどに旨味を加えることができますよ。食感を楽しみたい場合は、粗めに刻んでください。

1. 半分に切って細かく切り込みを入れます。

玉ねぎの皮を剥いて縦半分に切ります。切り口を下にして置き、玉ねぎの根元の部分を残して縦に3~5mmに細かく切り込みを入れます。

2. 90度回転させて切り込みを入れます。

玉ねぎを半回転させて、横からか、上から斜めに3箇所ほど切り込みを入れます。包丁は、さきほど残した根元部分まで入れ、切り落とさないようにします。

3. 1の切り込みに対して垂直に切ります。

縦に包丁を入れ、端から細かく切っていきます。

4. さらに細かく刻みます。

利き手で包丁の柄を握り、反対の手を包丁の背に添えます。刃先を支点にすると、刃の根元で細かく刻めます。お好みの細かさまで刻めたら完成!

【野菜ソムリエのワンポイントアドバイス】
稲吉さん:「みじん切りは、玉ねぎの旨味や甘味がもっとも引き出せる切り方です。水分や辛味成分が出やすくなり、ほかの食材とよくなじみますよ。みじん切りの玉ねぎをハンバーグやチャーハン、スープ、ソースに入れることで、玉ねぎの甘味やコクがプラスされてまろやかな味わいになります」

カレー・シチューにおすすめの【くし切り】

煮込み料理で、玉ねぎの形を残したい場合は、くし切りがおすすめ。玉ねぎを繊維に沿って切ることで煮崩れしにくく、食感が残り、甘味や存在感を感じられますよ。

1. 縦半分に切り、芯を取ります。

玉ねぎの皮を剥いて縦半分に切ります。包丁をVの字に入れて、芯を切り落とします。

2. 切り口から等分にしていきます。

切り口を上にして、真ん中から等分にしていきます。玉ねぎが転がらないように注意してくださいね。

くし切りが完成!カレーやシチュー、肉じゃがなど、形や食感を残したい煮込み料理におすすめです。

スープに入れるなら【角切り】

ミネストローネやラタトゥユのような煮込み料理などいろいろな食材と一緒に煮込む場合、角切りにしましょう。ほどよく食感が残るので玉ねぎの食感や甘味を楽しめますよ。ほかの食材と大きさをそろえることで、味が均等になります。

1. 縦半分に切り、1cm幅の切り込みを入れます。

玉ねぎの皮を剥いて縦半分に切り、切り口を下にして置きます。芯の部分を切り離さないように、端から1cm幅の切り込みを入れます。

2. 90度回転させて切り込みを入れます。

玉ねぎを90度完成させて、まな板に対して水平に2~3箇所ほど切り込みを入れます。

3. 1の切り込みに対して垂直に切ります。

1の切り込みに対して垂直に刃を入れ、1cm幅で切ります。

4. 残った部分は寝かせて切ります。

手で押さえていたギリギリの部分は、寝かせて1cm角に切ります。

角切りが完成!さいの目切りやダイス切りとも呼ばれます。食感や形を残したい、スープや煮込み料理におすすめです。

【野菜ソムリエのワンポイントアドバイス】
稲吉さん:「いろいろな食材と一緒に煮込むとき、玉ねぎをしっかり感じたい場合は角切りにするといいです。ほかの具材と大きさをそろえると、味が均等になじみ、ほどよく食感も残りますよ。ミネストローネやラタトゥユ、オムレツの具材などにぴったりです」

料理に合わせて切り分けて!

筆者自身、ハンバーグやソースはみじん切り、それ以外は薄切りしかしてこなかったので、目からウロコの連続でした。ぜひ、切り方による味の違いを確かめてみてくださいね。