確かにこの日は若きクリストフ・バウムガルトナーのみならず、オーストリアサッカー界全体にとっても、大きな意味をもつものだ。土曜夜の日本時間28時より開催されるユーロ16強では、イギリスの首都ロンドンのウェンブレイ・スタジアムにてイタリア代表と対戦する。

 前回のウクライナ代表戦では主将アラバのCKにいち早く反応し、この16強入りを決定づける非常に貴重な代表3得点目を決めたバウムガルトナー。その直後に頭部を打撲し交代を余儀なくされたが、今回の出場を阻むようなものではなく、むしろ「イタリア代表は、僕たちからの挑戦を受けて立たなくてはならない」と闘志を燃やす。「今、僕たちは歴史を記しているところであり、まだそれは書き終えたわけではない」

 またこの試合がオーストリア代表のみならず、バウムガルトナー個人にとってより一層大きな意味をもつ可能性がある。現在はマンチェスター・ユナイテッド、さらにワイナルドゥムの後継候補としてリヴァプールFCからの関心が寄せられているところであり、今回はまさにその英国でのアピールの絶好の機会といえるだろう。なおTSGホッフェンハイムとの契約は、今年の3月に2025年まで延長されたばかり。

 またホッフェンハイムとの契約を2022年まで残す、同僚のフロリアン・グリリッチュについても、これまでプレミアリーグのアーセナル、トッテナム、サウサンプトン、ニューカッスルなどから関心が寄せられており、ホッフェンハイムから延長オファーは提示されているとはいえ、今回のロンドンの試合が同じく1つの転機となるかもしれない。