今夏にJリーグのクラブに復帰する見通しが浮上している酒井。この報道は、現地でも小さくない反響を呼んでいる。 (C)Getty Images

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 現地時間5月10日、フランスの『RMC Sports』や現地紙『La Provence』など複数のメディアが、マルセイユに所属する日本代表DF酒井宏樹がシーズン終了後にクラブを退団する準備を進めていると報じた。

 今シーズンはリーグ・アンで28試合に出場している日本人DFは、2022年6月まで契約を残している。しかし、移籍金150万ユーロで、Jリーグのクラブに戻るという見通しだと現地でも報じられている。
 
 この報せを受け、現地ラジオ局『Radio Star』に出演した、熱狂的なマルセイユファンであるコメンテーターのルネ・マルビル氏が、酒井に熱いメッセージを送ったようだ。

 ジャーナリストとしても活動するマルビル氏は、酒井のことを「決して忘れないだろう」と語ったという。
 
「彼はマルセイユで良いシーズンを過ごした。今シーズンは偉大ではないかもしれないが、決して嘆かわしい存在ではなかった。ひとつ不幸を挙げるとするなら、ブナ・サールの後を継いだということ。サカイは攻撃的ではないので、比較されて苦しんだ。だが、私はあのアジアン・スピリットが好きだった。試合中に怒鳴ったりしないし、フィールドで手を抜いたりもしない。そして右サイドでも、左サイドでもプレーできた、素晴らしい選手だ」

 酒井は2012年に柏レイソルからハノーファーに入団し、2016年にマルセイユに加入。以降、そしてヨーロッパリーグ決勝進出(17-18シーズン)や昨シーズンは念願のチャンピオンズ・リーグ出場など実績を重ね、そのプレーで現地サポーターの信頼を勝ち取ってきた。「サムライ」として親しまれた選手の去就は、現地ファンの心にも響くものがあるようだ。

 酒井の帰国が実現すれば、9年ぶりの国内復帰となる。ベテラン戦士となった31歳DFの熟練したプレーが、今度は日本のファンを楽しませることになるのだろうか。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部