河野太郎ワクチン担当相も頭を悩ますか…(時事通信フォト)

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 医療従事者を対象に、新型コロナのワクチン接種が始まった。4月以降、65歳以上の高齢者や基礎疾患を持つ人への接種が進む予定だが、いまだ接種方針が定まらないのが政界だ。

菅義偉総理(72)をはじめ、二階俊博幹事長(82)や麻生太郎副総理兼財務相(80)など政権中枢の議員は高齢者だらけ。感染すれば重症化リスクも高く、政治空白が生まれかねないので、本来は真っ先に打つべき対象です。しかし日本人は特別扱いに敏感で、『上級国民だ』と批判される。石原伸晃議員が感染後すぐに入院して批判されたこともあり、『先に受けたい』とは言えず、世論をうかがっている」(政治評論家の有馬晴海氏)

 72歳の菅首相は2月22日の国会答弁で、「総理が最初に打つべきでは」との質問に「順番が来たら接種したい」と、高齢者向けの接種が始まるまで待つ意向を示した。

 米国では、ワクチンの安全性を示すためにバイデン大統領が自ら接種の様子を公開したほか、初期供給分から議員用のワクチンを確保。イスラエルでもネタニヤフ首相が接種第一号となるなど、日本とは対照的だ。

 河野太郎ワクチン担当相(58)は、高齢者の次に優先される「基礎疾患のある人」については自己申告制を検討するとしたが、これも政治家を悩ませている。

「政治家にとって健康状態は秘中の秘で、倒れても救急車を呼ばせなかった人もいる。自己申告すれば、『不安がある』と公言しているようなものですし、今年は衆院選も控えている。安倍前首相のように疾患を公表している政治家は別として、申告する議員はいないのではないか」(有馬氏)

 昨年11月に新型コロナに感染した参院議員(無所属)で現役医師の桜井充氏が語る。

「特例に否定的な人はいますから、議員だけ先に打つのは難しい。国民と同じ基準で、順番通りに粛々とやったほうがいい。

 ただ、『接種場所』については配慮があってもいいと思います。厚労省は住民票のある住所地での接種を原則としていますが、『ワクチンのために地元に帰れ』というのは現実的ではない。議員宿舎や国会の医務室など、都内で接種できるようにしてもいいと思う」

 議員にとって怖いのは、コロナ感染より有権者の目なのだろう。

※週刊ポスト2021年3月12日号