"音声版ツイッター"と呼ばれるアメリカ発のSNS「Clubhouse」の招待枠の出品が1月28日、メルカリから姿を消した。Clubhouseは、好きなテーマの「ルーム」を開設し、世界中の人と会話ができるソーシャルサービス。国内でも著名人が相次いで利用を開始するなど注目を集めている。

ところが、利用者は完全招待制で、利用するにはClubhouse公式からの招待を待つか、既にアカウントを持つユーザーに2枠ずつ与えられる招待枠に入る必要がある。アプリからSMSを送信して招待する仕組みで、この枠がメルカリに一枠3000〜1万円前後で出品されていた。

「Clubhouse」を記載しない"抜け穴出品"も


招待する側の出品者は、SMSを送る際に購入者の電話番号を入力する。そのため、出品ページには「決済後に電話番号を教えてください」といった記載もみられた。

しかし、携帯電話の番号などを含む個人情報は、詐欺グループの間で高額取引されることで有名だ。そのため、見ず知らずの出品者に番号を伝えるという行為に抵抗を覚える人も多かっただろう。

また、商品発送などの実態を伴わない取引なので、決済完了後に「招待枠を必ず送ってくれる」という保証はない。メルカリではトラブルを未然に防ぐため、禁止されている出品物に「サービス・権利など実体のないもの」という項目が依然から明記されていた。この規約に抵触した可能性がある。

28日18時時点では、マスクやトイレットペーパーの転売時にみられた運営からの公式アナウンスはなく、出品者と削除する運営のイタチごっこが続いている。また、中には削除対応を潜り抜けようと「Clubhouse」のワードを使わずに「SMS 招待」などと巧妙な検索ワードで出品する人はメルカリのみならず、ラクマでも現れている。

一方、ヤフオクでは削除対応を進めている様子はなく、やはり3000〜1万円(即決価格)で多くの招待枠が出品されている。流行に乗りたい気持ちは分かるが、トラブルに遭ってからでは手遅れ。本来はお金を出して購入するものでもないので、自分を守りながら程々に楽しみたい。