中古ならガソリン車も狙える? 日産「セレナ」のお得な中古車事情とは

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ミニバンの中でも優れた低燃費性と豊富な安全機能を搭載したセレナ

 日産が販売する人気モデルのひとつであるミニバンの「セレナ」は、現行の5代目モデル(C27型)が発売されてから販売台数を伸ばし続けており、マイナーチェンジや「e-POWER」が登場したことにより、中古車市場にも多く出回っています。

セレナは新車もイイけど、中古車市場でもお得なモデルが多い?

 セレナは1991年に初代モデル(C23型)が登場し、当初は「バネットセレナ」という名称で販売が開始されました。

【画像】セレナの本気! ベッドが標準装備の広々モデルを見る!(21枚)

 初代モデルが発売されてから3回に渡りフルモデルチェンジをおこない、ミニバンとして日産だけではなく、競合メーカーのミニバンに引けを取らない知名度を獲得してきました。

 その後、2010年には4代目モデル(C26型)が登場し、初代モデルと比べダイナミックさがありつつも曲線美が美しいなめらかなデザインと変化しています。

 2012年8月には、新開発されたスマートシンプルハイブリッド「S-HYBRID」を導入することを発表。

 S-HYBRIDは、エンジンとモーターの連携で減速時のエネルギー回生をすることで、エネルギーを再利用することができるシステムとなっており、アイドリングストップを容易におこなうことができることから、優れた燃費率を実現します。

 発進や加速時は、エンジンによる駆動に加えて、エネルギー回生で蓄電した電気を使いモーターを回すことで、エンジンの働きをモーターが同様に補うことにより、発進加速の効率を向上させることが可能です。

 S-HYBRIDの搭載モデルの販売を開始した翌2013年には、販売台数9万6407台を売り上げ、6位を記録しています。

 2016年には現行の5代目モデルが登場しました。5代目が登場した2016年1年間の販売台数は7万3502台となっており、9位にランクインするなど、その人気ぶりがうかがえます。

 2020年8月には一部仕様が向上され、従来のガソリンモデルが廃止され、現在ではS-HYBRIDモデル、e-POWERモデルの2種類が採用されています。

 現行モデルのボディサイズは、全長4685mm×全幅1695mm×全高1875mmとなっており、室内長3170mm×室内幅1545mm×室内高1400mmと、室内の長さと幅がミニバンクラスで首位を誇っており、ゆったりと過ごせる広々とした空間を実現しています。

 エクステリアは、落ち着いたデザインとなっておりシンプルな印象を受けます。ヘッドライトはLEDヘッドランプ、ハロゲンヘッドランプの2種類があり、オプションによって変更することが可能です。

 また、見た目のデザインが大きく変わるグリルイルミネーション、フロントバンパーイルミネーションや、そのほかにも豊富なオプション装備があり、自分だけの1台を購入することができます。

 インテリアは、グレードによって豊富なシートバリエーションを兼ね備えており、ロングドライブでも疲れにくい中折れ形状の背もたれパッドを運転席、助手席と二列目左右シートに採用。

 特筆すべき点として低燃費性が挙げられます。ミニバンと聞くと大人数乗る大きいクルマで、燃費があまり良くないイメージがあるかもしれませんが、セレナのe-POWERの場合ではパワートレインをリチウムイオン電池で駆動用として使用しており、発電時にはHR12DEエンジンを採用することで燃料はWLTCモードで18km/Lを実現しています。

 さらに、e-POWERで使用されているHR12DEエンジンは、コンパクトカーの日産「ノート」や「マーチ」にも採用されているエンジンでもあり、小型のエンジンとリチウムイオン電池を搭載することにより、若干の重量の差はあれど車両総重量がS-HYBRID車2070kg、e-POWERでは2115kgと軽量化の面でも燃費に貢献しています。

 アシスト機能や安全面については、運転支援機能の「プロパイロット」が搭載されています。

 プロパイロットは自動運転機能のひとつで、おもに高速走行時などに使用することで、前方の車両との車間距離の調整や車両に搭載されているフロントカメラが白線を認識して白線の中央をキープした走りを自動的におこない「車線逸脱防止支援システム」などの機能を併用しておこなうことで自動運転を可能にしています。

 また、「360°セーフティアシスト」は、先程のプロパイロットや「車線逸脱防止支援システム」のほかに「前方衝突警報」「標識検知機能」「後側車両検知警報」などのいくつものアシスト機能を駆使することで信頼できる安全性能を誇っています。

 新車価格は、S-HYBRIDモデルが257万6200円から335万3900円、e-POWERモデルが299万7500円から347万3800円です。

セレナは市場に多く出回っているため中古車も狙い目

 現行モデルを新車で購入する場合、350万円ほどの費用がかかり、決して安い買い物とはいえないでしょう。

 ですが、近年マイナーチェンジや一部仕様が向上され代替えをするケースや、セレナ自体が人気モデルということもあり、中古車市場には多くの台数が出回っています。

 グレードや年式、走行距離などによって金額には差がありますが、中古車の平均相場を見ていきましょう。

 5代目モデルのS-HYBRIDモデルの「XV」では、新車価格273万6800円ですが、中古車でも走行距離0.5万kmという低走行にもかかわらず、車検付きで197万9000円という値段があり、ボディカラーが「アズライトブルー」と少し変わったカラーである場合や、オプションの有無により金額に大きく差が出てくるようです。

 定番のボディカラーであるホワイトやブラックでは、同様の距離、オプションが付いていても金額には若干の差があるといった程度でした。

 また、e-POWERモデルのグレード「XV」では、新車価格322万6800円に対して、走行距離0.6万kmで車検付きの、年式が2019年という新しさで290万円とお得な値段で販売されており、新車で購入するよりも中古車を購入する方がお得といえる場合があります。

 さらに、走行距離が7万kmで年式が2017年、車検付きの現行モデルが131万2000円と、距離数から車検時の消耗品、劣化部品の交換で費用はかかりますが、乗り出しにかかる費用では、かなりお得な個体を見つけることも可能です。

2020年には車中泊ニーズに対応するべく、新たに「セレナ マルチベット」が追加設定された

 一世代前の、4代目モデルの値段相場は、比較的定年式で総距離が短い個体も、150万円から200万円程の値段で販売されており、距離が10万kmを超えると急激に値段が下がり、50万円前後で購入することができるようです。

 また、値段が高い傾向として、人気色でもあるホワイト、ブラックのボディカラーでカスタム仕様のライダーとなると、人気モデルということもあり、走行距離が10.2万kmのもので年式が2014年と6年落ちの車両で103万9000円と、100万円台前半の値段がついています。

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 新車の値段と中古車の平均的な金額相場で比較してみましたが、S-HYBRIDモデル、e-POWERモデルともに、プロパイロット搭載車であっても、年式も新しく、走行距離も短い状態の良い個体が多く市場に出回っており、現行モデルの価格相場や一世代前の4代目モデルの下取り価格が下がってきていることなどから、大きな値幅があるようです。

 また、中古車で走行距離が10万kmを超えるものは大きく値段が下がることから、経年劣化からくる損傷や消耗品の交換などで維持費がかかってしまうことが予想されます。

 年式も新しく、走行距離も短い状態の個体であれば、中古でセレナの購入を検討してみることも十分にありなのではないでしょうか。