土曜夕方に行われたVfBシュトゥットガルトvsボルシア・メンヒェングラードバッハでは、試合終盤に与えられたPKの判断を巡り大きな波紋が生じる結果となった。主審を務めたフェリックス・ブリヒ審判員は、適切な映像を得られなかったために詳細を見逃していたと説明。いったいなぜ、このような事態が発生してしまったのだろうか?

 決してブリヒ氏がこのことについて断言することはなかったのだが、しかしながら適切なスロービデオが提供されていれば、PKという判断が下されなかった可能性はあるとはいえるだろう。サシャ・カライジッチがベンセバイニとの対人戦の際、映像には同僚であるアントンの足につまづく様子が写しだされていたのだ。

 とりわけグラードバッハにとっては、2−1とリードして迎えていたロスタイムの判定に苛立ちを露にしているが、ブリヒ審判員はこのプレーについて「共同決定」を下したとの言葉で表現。ただその確認がとれた映像というのが、試合後に提供されたものであり、試合中にはその様子が映し出されたものは「残念ながら送られていなかった」という。

 なぜ試合終了まで、その映像の提供が待たれなくてはならなかったのっかあ?そもそもVARはどのようにして映像提供を受けているのだろうか?映像制作はドイツサッカーリーグ機構が所有する「SPORTCAST」という会社が行なっており、そこではスカイやDAZNなどにも映像制作を行っているところ。

 VARがブンデスリーガのビデオアシストセンターというところから、画像をまとめる2人のオペレーターのサポートを受けており(ブンデス2部は1人)「可能な限り最適な視点をできるだけ早くフィルタリングしてVARへと提供する」と、同機構のホームページでは説明がなされている。

 通常動画チームは状況を評価する際に、19〜21のカメラショットが用いられており、つまりは今回のプレーに関しては、適切な視点が無視されていたか、それともそのビデオ自体に映されていなかったか、のどちらかということになる。

 なお映像拡大など技術的な補助具は、VARでのレビュープロセスにおいては用いられることはなく、それは「粗探しをさけるため、あくまでVARの介入は全ての観客の目でみて確認されるものに限られるからだ」と、VAR導入プロジェクト担当ヨッヘン・ドレース氏は説明した。