クレジットカード(2013年2月5日撮影、資料写真)。(c) ANNE-CHRISTINE POUJOULAT / AFP

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【AFP=時事】ドイツの決済手段の利用割合で2020年、初めてカードが現金を上回る見通しであることが、17日に発表された調査論文で明らかになった。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)により、消費者行動が変化していることが原因だという。

 市場調査会社「ユーロモニター・インターナショナル(Euromonitor International)」のラトナ・シータ(Ratna Sita)研究員は、「新型コロナウイルスのパンデミックへの対応として、ドイツの消費者の決済行動が急激な変化を示した。衛生上の理由から、現金よりもカード決済が利用されるようになっている」と説明した。

 近年は各国の消費者が簡単でスピーティーなキャッシュレス決済に移行したにもかかわらず、現金を信奉するドイツでは、国民たちが現金決済の伝統を固守し続けてきたが、新型ウイルスの感染拡大を受けて、紙幣や硬貨に触れるのを避けたいと思うようになった。

 ドイツ政府も、非接触型決済の上限額をこれまでの2倍となる50ユーロ(約6200円)に引き上げ、キャッシュレス決済への移行をさらに加速させた。

 同論文によると、カード決済の利用割合は2020年、「ドイツ史上初めて現金決済を上回る」見通しだという。

 さらに、特に若い世代は年配世代よりも、スマートフォンを使った決済などの技術的進歩を信頼し、プライバシーについて心配をしていないことも明らかになった。

 共著者の一人、マキシム・ホーファー(Maxim Hofer)氏は、キャッシュレス決済への移行はパンデミックによって「加速した」と指摘した上で、「パンデミックの後に現金決済が持ち直す兆しはまったくない。カード決済には非常に多くのメリットがあり、今はインフラも整っているからだ」と述べた。

 現金決済の文化は、ドイツ人が昔から借金を嫌い、プライバシーを断固として守ってきたことの一端であり、ナチス(Nazi)やさらには共産主義時代の旧東ドイツの秘密警察シュタージ(Stasi)による、市民監視の暗い歴史の名残りでもある。

【翻訳編集】AFPBB News

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