hacomoが制作した段ボール製の「自動販売機」。ボタンを押すと缶が出てくる=hacomo提供

写真拡大

 「自動販売機の仕組み」というコメントとともに、ツイッターに投稿された動画が話題です。段ボールでつくられた実物大の「自動販売機」にも驚きですが、お金を入れて、ボタンを押すとちゃんと缶の飲み物が出てきます。「これどうなってるんだろう」と、自販機の裏側に回ってみると……。制作した会社に聞きました。(朝日新聞デジタル編集部・野口みな子)

【画像】段ボールで作った「実物大の自販機」 「ぬる〜い」に癒やされる 超絶技巧の「内部」はこちら

「ぬる〜い」にも愛着が湧く手作り自販機

 動画を投稿したのは、段ボールの工作キットを企画・販売している「hacomo」(香川県東かがわ市)の公式アカウント(@dancreator)です。同社はこれまでもユニークな段ボールの工作キットを企画しており、先日も子ども用のかぶり物「ドラボールドラゴン」が「かわいい」「コドモドラゴン」と話題となってきました。

 話題の動画では、段ボールでつくられた実物大の自動販売機を紹介しています。お金を投入口に入れ、ボタンを押すと、「ガコン」という音とともに缶が取り出し口に落ちてきます。

 「これどうなってるんだろう」とカメラが裏側に回り込むと、「お世話になりまーす!」と飲み物を補充するスタッフの方が……! 自販機の背面を開けて、精巧に作られたレーンに飲み物を投入していきます。そして、表からボタンが押されて飲み物が出ていく様子は、機械的な美しささえも感じられます。

 本物の自販機には「あったか〜い」「つめた〜い」などと書かれているボタンのラベルも、「ぬる〜い」となっていて、なんだか愛着も湧いてきます。

 投稿は3万回以上「いいね」され、「家に欲しい!」「工作の極み」などのコメントが集まり、段ボールで制作された見た目から「ネタで人が入ってるパターンかと思ったらまじな方だった」「人が入ってるオチがと思ったら超凄いやつだった」という驚きの声も上がっています。

制作期間は1日「小さなキットの構造を利用」

 「hacomo」では、作ったあとも楽しめるというコンセプトの工作キット「WOW」シリーズを展開しており、高さ20.5cm、幅11.5cmの小さな自動販売機のキットも販売しています。

 同社の担当者は、今回の実物大の自販機について「これまでも段ボールで面白いと思えるものを作ってきたのですが、今回はリアルサイズの自販機があったら面白いなと思い、小さなキットの構造を利用して作りました」と話します。

 材料は段ボールと輪ゴム。ボタンを押すことで缶が押し出されるようになっていて、張ったゴムの力でまたボタンが戻ってくるという仕組みになっているそう。ちなみにお金は「入れるだけです」。

 図面をつくって段ボールを切り出し、組み立てて制作するのですが、制作期間はなんと1日。「大きく設計し直すだけなので、さほど大変ではなかった」といいます。

 とはいえ小さなキットとは、商品(缶)の寸法や重みが違うため、「最初はうまくいかなかった」という担当者。角度などを微調整しながら完成させていったそうです。

巣ごもりで需要拡大「昨年の10倍くらいには…」

 新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、巣ごもり生活でも子どもたちが楽しめる工作キットの需要は高まっています。担当者によると、「前年同月比でいうと、売上は10倍くらいにはなっていると思います」。

 今回のリアルサイズの自動販売機を制作したのも、こうした需要を受けて「大きなものを見て楽しんでもらえたら」という思いもあったといいます。

 「WOW」シリーズでは小さな自動販売機のほか、ダイヤル式金庫やカード販売機も人気だそう。ノリやハサミも使わずに組み立てられ、精巧な作りになっているのに、千円前後で購入できるというのも魅力のひとつです。

 ツイッターではリアルサイズの自販機にも「欲しい」という声が上がっていますが、担当者「図面はあるので作れなくはないですが、販売することはないと思います」と話しています。