志学アカデミー富山本校(帝国データバンク撮影、画像は一部加工しています)

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新型コロナウイルスの感染拡大でテスト・模試の中止を余儀なくされ、事業継続を断念

 2月29日までに事業を停止していた(株)志学アカデミー(TDB企業コード:370142485、資本金1000万円、富山県富山市一番町3-20、代表藤木裕一氏、従業員25名)は、3月3日に富山地裁より破産手続き開始決定を受けた。

 破産管財人は今村元弁護士(富山県富山市千石町2-9-7、今村法律事務所、電話076-494-3588)。財産状況報告集会など各期日は6月4日午前11時。

 当社は、1975年(昭和50年)12月創業、76年(昭和51年)4月に法人改組した学習塾運営会社。小・中学生および高校生を対象とする総合学習塾「志学アカデミー」を富山・石川両県内で展開。小学校高学年から中学生向けの集団授業を行うほか、講師1人が生徒2人を指導する個別指導塾、映像配信システムを用いた授業を行うフランチャイズ形式の大学受験予備校も展開していた。安定した合格実績を背景に富山県内では地場大手学習塾の一つとして認知され、2003年3月期には年収入高約3億8000万円を計上していた。

 しかし、その後は少子化の影響に加え、全国展開する大手学習塾の進出もあって生徒数が伸び悩み、教室を順次閉鎖。近年は、富山本校1教室のほか、個別指導塾7教室、大学受験予備校2教室での事業展開となっていた。また、アルバイト講師の確保にも苦戦し労務費がかさむなど収益も低調に推移。過年度の本校不動産取得や教室展開に伴う金融債務が重荷となり、金融機関に担保提供していた代表者所有不動産を売却するなどで立て直しを図っていたが、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて2020年3月以降に予定していたテスト・模試の中止を余儀なくされるなど資金状況は改善せず、事業継続は困難と判断。今回の措置となった。

 負債は申請時点で、債権者約68名に対し約3億3400万円。