あくびコミュニケーションズ(株)(TDB企業コード:024014665、資本金2000万円、東京都渋谷区道玄坂1-19-2、代表佐竹雅哉氏)は、2月28日に東京地裁より破産手続き開始決定を受けた。

 破産管財人は佐長功弁護士(東京都中央区八重洲2-8-7、阿部・井窪・片山法律事務所、破産管財人問合せセンター0120-941-916)。債権届け出期間は当面定めない。

 当社は2015年(平成27年)3月に設立。大手通信業者のインターネット回線サービスと自社サービスを組み合わせた、高速インターネットサービス「AKUBIネット」、光回線接続サービス「AKUBI光」などを展開するほか、自社オリジナルの格安高速モバイル通信「AKUBIモバイル」の販売を手がけていた。また、電力小売サービス「AKUBIでんき」事業も展開しており、電気の使用量の多寡にかかわらず大手電気事業者の電気料金よりも安く電気を使用できるとうたい、2018年2月期には年収入高約28億7900万円を計上していた。
 しかし、サービス勧誘手法などにおける問題が度々指摘されており、2017年6月に総務省よりインターネット通信事業における電話勧誘手法に関わる行政指導を受けていたほか、2019年4月に消費者庁より電力小売サービス「AKUBIでんき」に関わる6カ月間の一部業務禁止命令を受けていた。こうしたなか、改善計画書を提出するなど策を講じていたが、2月28日に総務省より「利用者らに何らの説明や通知等必要な情報提供を行っていなかったにもかかわらず、(中略)合計7752万円を過大に徴収した事実が判明した」として業務改善命令を受け、同日に自己破産の申し立てを行い、今回の措置となった。なお、早ければ3月末ころには、電気の供給・インターネット接続サービス・通信サービスの提供が停止となることが見込まれる。

 申請時の負債は債権者約1958名に対し、約5億7600万円だが変動する可能性がある。

 関係会社の(株)カステラ(資本金300万円、北海道札幌市中央区南1条西4-5-1、代表渡辺大也氏)も同様の措置となっている。