by Daniel Hollister

1968年に公開されたアメリカのホラー映画「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」は現在でもよく知られている「ゾンビ」が初めて登場した作品とされており、公開後に多数の「ゾンビ映画」フォロワーが登場するほどの影響を映画界に与えました。そんな中、多数のフォロワーが登場するほどゾンビ映画が人気になった原因は「著作権管理のミス」にあったとインターネットアーカイブが指摘しています。

Love Zombies? Thank the Public Domain | Internet Archive Blogs

https://blog.archive.org/2020/02/24/love-zombies-thank-the-public-domain/

インターネットアーカイブによると、そもそもゾンビは19世紀のハイチの民間伝承に登場する化け物で、その伝承の中では「強力な魔術師に奴隷にされた死体(ないし生きている人)」だったとのこと。しかし、ジョージ・ロメロ監督は「動きがのろい」「人肉を求めて人を襲う」「噛まれるとゾンビになる」という伝承とは全く異なる「ゾンビ」を創造し、「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」に登場させました。なお、作中でゾンビなる単語は使われておらず、ロメロ監督は自身が作り上げた怪物を「グール」と呼んでいました。

その後、「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」の多大な人気を受けて、ロメロ監督が創始したゾンビの設定をそのまま踏襲した作品が多数登場。一連の作品は、「ゾンビ映画」として知られるようになりました。「ウォーキング・デッド」「バタリアン」「ワールド・ウォーZ」などもゾンビ映画の流れをくむ作品で、ゲームとしては「バイオハザード」シリーズが有名です。

ゾンビ映画がこれほどまでに人気となった原因は、「著作権管理のミス」だとインターネットアーカイブは主張しています。「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」は制作時点では「Night of the Flesh Eaters」というタイトルでしたが、「Flesh Eaters」というホラー映画がすでに存在していたため、映画のタイトルを修正したという経緯があります。その際に誤って著作権マークが削除されてしまったそうです。

当時のアメリカの著作権法によって、著作権マークが削除されてしまった「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」はすぐにパブリックドメインとして取り扱われるようになりました。これは本作品を自由にコピー・共有・再配布することが許可されるというだけでなく、リミックス・二次創作・内容の借用までも許されるということを意味しています。インターネットアーカイブは、パブリックドメインにされたことによって「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」はアメリカのポップカルチャーを通じて急速に人気を得たと説明しました。

インターネットアーカイブは、「『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』は質の高い作品がパブリックドメインになったときに何が起こるかを示した好例です」とコメント。世界中のウェブページやソフトウェア・本・映画・録音データなどを無償公開する取り組みを続けるインターネットアーカイブが、「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」も全編無料公開していることをアピールしました。

Night of the Living Dead : Karl Hardman, Russell Streiner : Free Download, Borrow, and Streaming : Internet Archive

https://archive.org/details/night_of_the_living_dead