3団体統一戦を前に対談を行った井上尚弥選手(左)と藤原竜也(右)

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 俳優の藤原竜也と、WBAスーパー・IBF世界バンタム級王者の井上尚弥選手が26日、放送30周年を迎えるWOWOWの番組「エキサイトマッチ〜世界プロボクシング」と、映画・ドラマ『太陽は動かない』のコラボレーション企画として、都内で対談を行った。幼少期からボクシングを見ていたという藤原は、日本時間4月26日に米ラスベガスで3団体統一戦を行う井上選手に熱いエールを贈った。

 人気作家・吉田修一の小説を『海猿』シリーズの羽住英一郎監督が映画化した『太陽は動かない』は、心臓に爆弾を埋め込まれた秘密組織のエージェント・鷹野(藤原)と相棒・田岡(竹内涼真)が、極秘情報を巡り各国のエージェントと頭脳戦を繰り広げるサスペンスアクション。WOWOWでは映画と連動する形で、主要キャラクターや設定を引き継ぎながら新たな事件を描く「連続ドラマW 太陽は動かない −THE ECLIPSE−」が放送される。

 3団体統一戦まで2か月という時期での対談に、藤原は「世紀の一戦を控えるチャンピオンを呼んでしまって申し訳ない」と井上を気遣う。小さい頃からボクシングの試合を見てきた藤原は、大のボクシングファンである俳優の香川照之を引き合いに出して「香川さんとは10年以上前に作品でご一緒して以来、井上選手の話をよくするのですが、ボクサーの抱える使命感や人生が大好きなんです」と羨望の眼差しを向ける。

 対する井上選手も「『デスノート』や『カイジ』を観ていたので、お会いできてうれしいです」と語ると、「香川さんはマニアックすぎて、自分の話をしていてもどこのことだか、わからなくなることがあるんです。一緒に解説をしたこともあるのですが、たまについていけないぐらい熱いんですよね」と苦笑い。

 藤原は舞台からキャリアをスタートさせ、映画やドラマなど映像の世界でも活躍する人気俳優。井上選手とはフィールドは違うものの、藤原は「演劇というのは俳優を育てる場でもあり、テレビや映画にはない厳しさがあります。僕も14歳のとき、蜷川幸雄さんに出会って、稽古で何度も泣かされたことがありました。でも本番を迎えて、戦うのは自分だけ。その意味でボクシングと似ている部分があるのかもしれません」と共通点を語る。

 藤原の発言に大きく頷く井上選手は「トレーナーと一緒にトレーニングを重ねても、試合当日は自分でやるしかない。そういった厳しさは同じかもしれません」と同調する。続けて「とにかく強いものだけが勝つ世界。これだけ練習してきたんだからという思いでやることが大切」と取り組む姿勢を明かすと、藤原も「稽古でできないことは本番でもできない。僕らは初日に照準を合わせますが、そこからが長い。でもチャンピオンは本番の試合は1日で、そこにすべてを出し切るというのがすごいことだと思う」とその集中力に脱帽していた。

 現在26歳の井上選手は「ボクサーとして、どこがピークかと考えると35歳ぐらい。僕は自分のパフォーマンスが落ちてまでやりたいとは思っていないので、35歳になったとき『やってきてよかったな』と思えるようなボクシング人生でありたい」と目標を掲げると、藤原は「トップを走り続ける大変さや辛さがあると思いますが、まずは4月の統一戦、家族一同で応援します」とエールを贈る。藤原からの激励に、井上は「ラスベガスでのデビュー戦。インパクトある勝ち方、KO勝ちしたい」と意気込んだ。(磯部正和)

『4・26ラスベガス決戦「井上尚弥×藤原竜也」対談』は、4月4日(土)午後2時30分〜 WOWOWプライムにて無料放送
映画『太陽は動かない』は5月15日より全国公開
「連続ドラマW 太陽は動かない −THE ECLIPSE−」は、WOWOWプライムにて5月24日より毎週日曜よる10時〜放送(全6話、第1話無料放送)