2020年クラシック候補たち
第2回:レシステンシア

 昨年末に行なわれた2歳GIでは、牡牝3レースにおいて、すべて3戦3勝の馬が戴冠を果たした。そのなかで、下馬評を覆して、メディアやファンを最も驚かせた馬と言えば、GI阪神ジュベナイルフィリーズ(12月8日/阪神・芝1600m)を制したレシステンシア(牝3歳/父ダイワメジャー)だろう。


阪神JFを圧勝し、2歳女王に輝いたレシステンシア

 栗東トレセンの松下武士厩舎所属のレシステンシア。デビュー戦となった2歳新馬(10月14日/京都・芝1400m)では、単勝1.4倍という断然人気に応えて快勝。3番手から抜け出す安定した競馬っぷりからは、着差(1馬身4分の1)以上の強さが感じられた。

 2戦目には、すかさず重賞のGIIIファンタジーS(11月2日/京都・芝1400m)に出走。素質の高さを示した初戦と同じ舞台でのレースだったが、すでに1勝クラス(500万下)をはじめ、オープンや重賞にも出走しているメンバーがそろって、同馬は6番人気と伏兵扱いにとどまっていた。

 しかし、レシステンシアはここでも貫禄のある走りを見せて完勝した。すんなり先行して2番手のポジションをキープすると、直線を迎えて早々に先頭へ。その勢いのまま1頭抜け出して、後方から押し寄せるライバルたちも難なく振り切った。

 そうして、3戦目に挑んだのが、阪神JF。2戦2勝で重賞制覇という戦績は文句なしと言えたが、ここでも評判馬のリアアメリアや、牡馬相手の重賞で結果を残してきたウーマンズハート、クラヴァシュドールに人気を譲って、レシステンシアはそれら「3強」から離されての4番人気だった。

 過去2戦が1400m戦と、距離経験のなさも「3強」に比べて支持を得られなかった要因だろうが、レースではそんな不安を一掃する、驚きのパフォーマンスを見せた。スタートから先手を奪うと、前半3ハロンは33秒7というハイラップを刻んで疾走。直線に入ってからは、さらに加速して、後続をグングン引き離していった。

 終わってみれば、2着に5馬身差をつける圧勝劇を披露。1分32秒7というレコードタイムを刻んで、見事にGIタイトルを手にした。

 一躍、今春の3歳牝馬クラシックの”主役”候補となったレシステンシア。同馬を管理する松下厩舎のスタッフは、これまでの活躍について、決して驚いていないという。関西競馬専門紙のトラックマンがその様子を伝える。

「レシステンシアを担当する厩務員の方は、同馬に『乗る人、乗る人が”モノが違う”と話していた』と言っていました。そして、『自分も初めて(レシステンシアに)触った時から、素質を感じた』と。牝馬とは思えないオーラを放っていて、阪神JF翌日の取材でも(多くの取材陣に囲まれて)驚いた様子もなく、すごく落ちついていました」

 担当の厩務員の方は、レシステンシアのこれまでを振り返って、「武豊騎手に感謝している」といった話もしていたという。先述のトラックマンが、そのエピソードについて説明する。

「デビュー戦では武豊騎手が手綱を取ったのですが、馬がゲート入りを嫌がった時、(スタート担当の)係員がムチで叩いてゲートに入れようとしたそうなんです。すると、武豊騎手が『ちゃんと(ゲートに)入るので、ムチで叩かないでほしい』と、その係員を制止してくれたんだとか。2歳牝馬がデビュー戦から厳しいことをされれば、レースへの恐怖心を抱く可能性があります。ゆえに、厩務員の方は『レシステンシアの今後を考えてくれた、豊さんに感謝している』と、いつも話しています」 レシステンシアに関わった人たちは、そもそもその能力の高さを把握していた。そして実際、2歳女王に輝いた。今春のクラシックでも、見ている者の度肝を抜くような、圧巻の走りを見せてくれることを期待したい。