海賊版サイト「MioMio」が年始から閉鎖中? 新たなサイトの動きも活発化か?

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「海賊版サイト」とは、漫画や映像作品などのコンテンツを権利者の許可なくアップロードしているサイトのことである。著作権者の利益を侵害する違法性が高く、コンテンツの権利者や政府を含め、社会的な問題として認識されている。
現行法での対応が遅れる中、海賊版サイトの防止や取り締まりは大きな課題だ。

そんな中、海賊版サイトとして認識されている「MioMio」が、年明けごろから閉鎖しているとの情報が入ってきた。


■「MioMio」トップページに謎絵が表示、検索ページは生きている?
「MioMio」といえば、2018年に海賊版サイトの取り締まり対策としてブロッキングが検討された際に、「漫画村」と「Anitube」とあわせて対象とされたWebサイトだ。

MioMioの特徴は、日本のテレビ番組の動画コンテンツが無許可で大量にアップロードされている点で、人気番組などは放送直後からアップロードされている状況だった。

このMioMioが、2020年1月4日ごろからアクセス不能になっている。
実際にアクセスしてみると、トップページにゲームのような画像だけが表示されている。サイトのドメインは生きているようだが、サービスは閉鎖状態にもみえる。

念のためサイト内の検索ページにアクセスしたところ、なんとキーワード検索ができた。しかも、ヒットしたファイルの中には、明らかに最近アップロードしたと思われるコンテンツもある。

この動画リンクにアクセスしてみると、トップページと同じ画像が表示された。この状況から推測すると、サイト閉鎖というよりは、サイトが遮断されている状態に近いのかもしれない。


MioMioにアクセスしてみると、このような絵だけが表示される。



MioMio内にある検索ページにアクセスしてみると、表示され検索も可能だった。


■「漫画村」の摘発の影響か? 
今回のMioMioの突然の停止に関しては、事前の告知などは確認できていない。また現在のところ、トップページにも告知は掲載されていない。

こうした状況には、昨年9月に「漫画村」のサイト運営者とみられる容疑者が逮捕されたことも影響しているのかもしれない。
しかし検索ページなどが利用可能なことなどから、一時的な活動停止である可能性もある。実際、2018年にブロッキング法制化が検討された際には、MioMioで一時的に動画の再生を停止し、ブロッキング法制化が見送られると運営を再開したという経緯があったからだ。

つまり、今回の閉鎖のように見える状況は、一時的な措置である可能性も否定できないのである。


動画検索は可能で、再生はできないものの最近アップロードされたとみられる動画の存在も確認できた。現状は一時的に閉鎖しているだけの可能性もある。


■引き続き警戒は必要 新たな海賊版サイトも
MioMioがアクセス不能になっている中、新たな海賊版サイトが広がりを見せているようだ。筆者が調査しただけでも、違法動画のアップロード先として「J」「V」(いずれも仮名)という2つのサイトが頻繁に使われていることがわかった。


日本のテレビ番組が大量にアップロードされている「J」や「V」(いずれも仮名)など、新たな海賊版サイトとみられるサービスが急速に勢力を広げている。


海賊版サイトの存在は、コンテンツ産業の維持や存続を大きく揺るがす問題である。著作権者の利益侵害はもちろん、コンテンツ産業に従事する労働者の生活も脅かされている。

現状では海賊版サイトの防止や取り締まりなどの対策は終わってはいない。
今後も引き続き海賊版サイトの動向には目を光らせ、対策をしてくことが重要となるだろう。


執筆:しぶちん(ITライター)