3ステップ時間管理術   ステップ2 
やる気がなくてもタスクが片付く魔法のようなタスク管理術【04】〜 タスクを細分化するステップ2では煩雑になりがちな「タスク」を管理する方法をお伝えします。3ステップ時間管理術でもかなり重要なステップです。

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タスクを書き出すミッション4
タスクを細分化する
さあ、実際にタスクを書き出すワークに取り組んでいただければ、あなたの目の前には右端に見込み時間が書かれた、思いつく限りのタスクフセンが並んでいるかと思います。頭の中がずいぶんスッキリしているのではないでしょうか。

ですが、3ステップ時間管理術のタスク管理の極意はまだこれからです。次はその目の前に並んでいるタスクを「細分化」していきます。ここでは「B社向け提案書を作成する 2時間」というタスクを例に説明していきます。

タスクを細分化した例 ひとつのタスクとしては、時間がかかりすぎています。目安として30分以上かかるタスクは、細分化が必要な場合があります。" />
タスクを細分化した例
ひとつのタスクとしては、時間がかかりすぎています。目安として30分以上かかるタスクは、細分化が必要な場合があります。

B社向け提案書を作成する−2時間

これからこのタスクを細分化していきます。細分化を進めるコツは、自分に問いかけてみることです。「今からこのタスクに取り掛かるとしたら、最初に何をする?」何をするかを思い浮かべたら、その答えをフセンに書きます。

例えば、「まずは、B社のホームページをチェックするかな。時間は… まずは15分見ればいいだろう」と思うならこう書きます。

B社のHPを見る−15分

これが1枚のフセンになります。そうしたら、また自分に問いかけてみてください。「じゃあこの次には、何をする?」

その答えが「競合のC社のホームページを見ておこう。かける時間は… 10分くらいかな」だとしたら、

競合C社のホームページを見る−10分

こんな風に、「最初に何をする?」「その次は何をする?」「その次は…?」を繰り返していくことで、どんどんタスクが細分化されていきます。

B社向け提案書を作成する−2時間を細分化すると…
B社ホームページを見る−15分 → 競合C社のホームページを見る−10分  →
過去プレゼン資料データから参考になりそうなものを3つ選ぶ−20分 →
過去のプレゼン資料を「B社」フォルダに入れる−5分 →
B社から得たい反応を書き出す−10分 →
B社が”断る場合の理由“を3つリストアップする−15分 →
それぞれの理由への反論を書き出す−20分 → …
このようにタスクを細分化してフセンで管理すると、次のような効果があります。

やる気がなくてもタスクが進む

細分化によってひとつひとつが小さなタスクになるので、手を着けることがとても楽になります。

最初の状態の B社向けの提案書を作成する−2時間と、
B社のホームページを見る−15分を比べると、
B社のホームページを見る−15分のほうが圧倒的に手を着けやすく感じますよね。

考えてみると、2時間もかかるタスクってかなりタフな印象です。モチベーションが高い時なら頑張れるかもしれませんが、いつもそうだとは限りません。そんな時でも15分のタスクだったら頑張れそうな気がするものです。

そう、タスクをこなすのに必要なのは、気合やモチベーションではなくて、細分化です。これが「やる気がなくてもタスクが進むタスク管理術」の秘訣です。

少しずつ進めることができる

そもそも、いつでもまとまった時間が取れるわけではありません。だとしたら、2時間のタスクは2時間集中できる時間が持てない限り進まないことになります。

B社向け提案書を作る−2時間というフセンを手帳に貼っても、2時間集中できる日はなかなかありません。それでも、実は少しずつ準備は進めているはずなので、最終的に締め切りには間に合う(間に合わせる)とは思います。しかし、最初に貼ったフセンはそのまま… なんてことが起きます。これだと「管理している」「着々と進めている」とは言えませんよね?

細分化しておくことで、その日の忙しさによって、どのタスクをこなすかを計画的に決めることができます。忙しくてタスクにかける時間が15分しか取れない日なら15分以内のタスクを、少し余裕があって午前中に30分、午後に1時間、時間が取れそうな日なら1時間半分のタスクを割り当てることができます。

段取り力が格段にアップする

タスクの細分化は実際に行動に移す前に行いますから、動く前に「先々まで」イメージしておくことができます。

プレゼン資料を作成する過程で上司のチェックを入れてもらう必要があるなら、どこかで「上司にチェックを依頼する」というタスクフセンが出てくるはずです。

だとしたら、プレゼン資料ができあがった日に上司にお願いするよりも、プレゼン資料ができあがる予定の数日前に打診しておくほうが「デキるビジネスパーソン」としての段取りではないでしょうか。

また、手順をイメージしながら書き出していくことで、「あ、これをやる前にあれをしなくては」「そうだ、これが漏れていた」など、もしかしたら実際にやるまで気付かなかったかもしれない「漏れ」や「注意点」にも事前に気付けるようになります。

中断してもすぐ再開できる
生産性のない時間が激減する

「少しずつ進めることができる」の項目でも説明しましたが、合計で2時間かかる見込みのタスクを常にまとめてできるとは限りません。その場合は数日に分けて進めることになりますが、日をまたいでタスクを行う際に意外と時間を食っているのが「思い出す時間」です。昨日の続きをするか… と取り組む時に、

「えーっと、昨日はどこまでしたっけな…」
「そうそう、たしかここまでだったから…」
「えーっと、じゃあ次は何をすればいいんだっけ…」

こんな時間はないでしょうか? つまり、タスクを再開するまでに「思い出す時間」が発生しているのです。そしてこの時間は、何も生み出していない「生産性のない時間」です。だとしたら、こんな時間こそ、限りなくゼロにしたいものですよね。

ところが、タスクフセンを手順に沿って細分化しておけば、続きに取り組む際にフセンを見るだけですぐに再開することができます。タスクを再開する時、「昨日はB社から得たい反応を書き出す−10分まで終わったな。じゃあ今日はB社が“断る場合の理由”を3つリストアップする−15分から始めればいいんだな」と、ひとめでわかります。

タスクフセンを並べておくだけでそのままマニュアルになる

仕事のタスクの中には、一度きりじゃなくて何度も繰り返すものもあると思います。例えば、月次決算は毎月実行が必要なタスクですよね。売上は資料Aから、原価は資料Bから、これこれの数値を決まった書式にまとめて… もちろん、売上や原価その他の決算の数値や内容は毎月変わるとは思いますが、実は月次決算のための資料をまとめたり数字を確認したりする手順は、毎月そうは変わらないはずです。

すると、一度その手順を細分化しながらタスクフセンで残しておけば、それがそのままマニュアルとして使えます。さらに、そのフセンマニュアルは他のスタッフなどに渡せるので、タスクを振りやすくなるという効果もあります。

自分の行動のムダが「視える」から改善できる

細分化をする時は、自分の行動をイメージしながら進めることになります。

自分が行動しながらだとなかなか気づけないものですが、自分がやっていることをタスクフセンという目に見える形にして客観的に眺めてみると、「この手順はなくてもいいんじゃないか?」なんてことにも気付けます。

実は、仕事が改善できない大きな理由のひとつは「ムダがあることに気付かないこと」です。ムダがあると思っていないので当然改善することもできないのですが、逆に言えば、気付くことさえできれば改善に向けた努力をすることができます。


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