日本代表(ロイター/アフロ)

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10日、日本はE-1選手権初戦で中国に2-1と勝利を収めた。

その3週間前、日本は11月19日に行われたベネズエラ戦では8分で先制されるとそのまま修正できず、ズルズルと失点を重ね1-4と大敗している。今回はそのときよりも条件は悪かった。

J1リーグ最終戦から中2日、初招集の選手も多くコンビネーションは期待できず、ベネズエラ戦よりも不安要素は多かったのだ。試合前日、中国人記者は「中国が勝つでしょう。自信があります」と張り切っていた。

試合前日、ベネズエラ戦に出場していた橋本拳人はこう意気込みを語っていた。

ベネズエラ戦ではなかなか修正できなかったので、今回はしっかり修正しながらやっていきたいと思います。自分も気付いたことがあれば話したいとは思いますが、それぞれが意見を要求し合ってやれればいい形でできると思います。(自信は)あります」

果たして、日本は中国よりも素晴らしいコンビネーションを見せ、最後に失点したものの圧倒的に試合を支配した。

試合後、橋本はまだ厳しい顔をしながら報道陣の質問に答えた。

「非常にタフなゲームでした。前半は少し戸惑いながらやっていましたが、コミュニケーションを取りながら修正して、やりたいことはできたと思います」

同じくベネズエラ戦にも出場していた畠中槙之輔はこう振り返る。

「(修正できたのは)リーダーシップを取る選手がたくさんいたと思いますし、リーグ戦が終わって集合して2日しかない中で、それを言い訳にしないと監督も言っていたので、意地みたいなものがあったと思います」

その意地が、中国が肉弾戦を仕掛けてきても負けなかった要因かもしれない。試合後、中国人記者は「日本のほうが強い。我々はどうしてこんなにスローなのかわからない」と嘆いていた。

もっとも、ベネズエラと中国ではレベルの差があるのも事実。この強さが本物になっていくのか、残り2試合の試合内容も含めて検討すべき必要はある。

【取材・文:森雅史/日本蹴球合同会社 写真:ロイター/アフロ】