アフリカ大陸とユーラシア大陸を徒歩だけで横断するとどんな困難に出くわすのか?
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人類はエベレストの山頂や、暗い海の底、そして宇宙空間にも到達しています。しかし、「陸地の端から端までを徒歩で踏破する」という偉業は達成されていません。科学や歴史、社会、ライフスタイルなどに関してさまざまなドキュメンタリーを配信している「CuriosityStream」が、「地上で最も長い道のりを徒歩のみで歩き切るとどうなるのか」についての考察ムービーを公開しています。
今回考察対象となっているのは、「地球上の最も離れた2点を徒歩のみで歩き切る」というルールです。
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「徒歩のみ」というのは、飛行機や車に加えて、川をボートで渡るというのもNGという意味。
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また、ルートの算出にはグーグルマップを使用するので、グーグルマップが使えない地域は通らないこととします。
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以上のルールを元に計算すると、「徒歩で行き来可能な地上で最も離れた2点」は、アフリカ大陸最南端のアガラスとロシアのマガダンになるとのこと。
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距離に換算すると、2万3068km。
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道のりは平坦ではなくアップダウンが存在するため、実際に歩くことを考えると標高変化も重要なポイント。全行程での標高変化は、のべ12万3000mとのこと。
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この標高変化は、エベレストの上り下り14回分に相当します。
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GoogleMapでスタート地点のアガラスからゴール地点のマガダンまでを示したものが以下の画像。全行程の距離は2万2101kmとなっていますが、これはGoogleMapが「黒海などの海・湖ではフェリーを使う」という設定になっているため。
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なので、全距離2万3068kmのルートは、海や湖を通らないように手動で補正し直しています。
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GoogleMapによると、この2万3068kmのルートを踏破するためには、4646時間が必要とのこと。
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仮に1日24時間歩き続けた場合は、194日間で踏破可能。
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しかし当然ながら、194日間も不眠不休で歩き続けることはできません。1日約8時間、計20kmを歩くとすると、踏破に掛かる時間は1153日間。3年以上もかかります。
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問題は期間だけではありません。その道のりにはさまざまな困難が待ち受けます。スタート地点の南アフリカは「1日あたり57人が殺害される」という危険地帯。
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南アフリカを抜けた後のジンバブエには、噛まれると20分以内に命を失うという猛毒ヘビ「ブラックマンバ」がいたるところに生息。
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その先のマラウイはマラリアの発生率が世界で第9位と、病気の問題もあります。
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マラウイを北上する際、隣接するザンビアも一部通過しますが、ザンビアもマラリアの発生率は世界第6位と、いずれにせよマラリアの問題は避けて通れません。
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マラウイ・ザンビアの次のタンザニアを抜けた次は、マラリアの発生率世界1位のウガンダと、マラリア尽くし。
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ウガンダにはブラックマンバのほかにも、ゴリラやカバなどの危険な動物が存在します。
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ウガンダを抜けた先もまた超危険地帯。南スーダンは、シンクタンクの経済平和研究所が発表した2019年度の「(PDFファイル)世界平和指数ランキング」でワースト3位の国。南スーダンがイラク・イエメンなどの紛争地帯よりも下位な理由は、国内で内戦が勃発しているため。カージャック・銃撃・強襲・強盗・誘拐などの事件が日常茶飯事だとのこと。
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南スーダンの次はエジプトのサハラ砂漠、夏期には気温が47℃に達する地域です。なお、南スーダンからエジプトのワジハルファに至るまでの道のり(以下の画像の赤枠部分)には道路が存在しません。
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エジプトのワジハルファからはルールに抵触しないように、ナセル湖の水上ルートを避けて砂漠を北上します。ナレーションによると、「ナセル湖を使わないルートは危険すぎるから多分死ぬだろうけど、ナセル湖に着くまでに10回以上は死ぬだろうからまあ大丈夫」とのこと。
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エジプトを縦断した後はスエズ運河橋でアフリカ大陸を脱し、ヨルダン、そしてイスラエルへ。
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イスラエルの次のシリアもまた難関ポイント。シリアは経済平和研究所の世界平和指数ランキングでワースト2位に輝いた国です。50万人以上の死者を出したシリア内戦は、記事公開時点でも継続中。
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今回のルートは、そんなシリアを縦断します。ナレーションいわく「シリアを歩いて抜けるのは自殺行為だけど、幸運を祈るよ」とのこと。なお、世界平和指数ランキング最下位のアフガニスタンは通過しません。
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シリアを抜けるとトルコ・ジョージアと比較的安全な国が続き、ついに最後の国ロシアに到着。
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しかし、東西に長大なロシアもまた難関。中継地点となるロシアのヤクーツクでは……
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1月の平均気温がマイナス39℃と、凍死待ったなしの温度。
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ヤクーツクからゴールのマガダンまでは、かつてスターリンによる強制労働で多数の死者が出た地域です。
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ムービーによると、このルートを踏破した人はおそらく誰もいないとのことでした。
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