またも直接FKを決めた日本代表MF原口元気(ハノーファー)

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[11.14 W杯アジア2次予選 日本2-0キルギス ドレンオムルザコフ]

 8試合ぶりに日本代表の先発に名を連ねたMF原口元気(ハノーファー)が、直接FKで貴重な追加点を挙げた。後半8分、バイタルエリアを突進するMF遠藤航が倒されて得た直接FKのチャンス。ゴールまでの距離が25mとややある中でボールをセットしたのは原口だった。

 右足から繰り出されたキックは不揃いな壁の間を抜けてワンバウンドしてからゴールに吸い込まれた。壁の作り方もGKのポジショニングも完璧ではないように見えたが、そんなことは関係ない。

「あのコースは壁に関係なく狙い通りだった。球種も練習しているもの。自信があった」

 昨年11月20日のキリンチャレンジカップ・キルギス戦(○4-0、豊田スタジアム)でも「浦和のユース時代以来」(原口)という直接FKを決めていた。だが、そのときは納得のいくボールにはならず、しかも相手GKのキャッチミスもあってのゴール。「カウントしないでください」と苦笑いもしていた。

 しかし、今回は違う。ハノーファーでは練習していると「入んねえだからやめろよと茶化される」というが、堂々の成功だ。

「去年は納得いかなかったけど、今回はある程度良いボールを蹴れた。もう1本2本決まりだしたらちゃんと武器になると思う」。

 キルギスは原口のゴールが決まった後、メンタル的にガクッと落ちた印象となった。1点のリードではセーフティーでない劣勢の試合展開で、貴重な2点目を決めたことにも価値があった。

「勝つという大前提の中で、僕は前の選手なので、アジアの2次予選の相手にはゴールを決められるかどうかが大事になる。ここからもう一度ポジション争いに臨んでいける。僕にとって大事な1点だった」。まだまだ新たな武器を手にしようとする向上心が原口を成長させ、代表のポジション争いを激化させる。

(取材・文 矢内由美子)