ファミリアの後継モデルと考えると高すぎる?

 今年の5月から発売がスタートしたマツダのCセグメントカーであるMAZDA3(マツダ・スリー)。日本ではそれまでのアクセラのポジションを担う車種となっているが、そもそも日本国外では初代アクセラからMAZDA3名義で販売されており、グローバルで見れば4代目MAZDA3となる。

 そんなMAZDA3は、2018年の東京オートサロンで日本初公開され、その美しいデザインなどが評判を呼んだのも記憶に新しいところ。発売後も各メディアの試乗記を見る限り、非常にクルマとしての完成度も高く、ネガティブな評価はあまり聞こえてこないというのが偽らざる感想である。

 しかし、そんなMAZDA3が思ったよりも売れていないのである。どんな車種でもデビュー当初は新型車ブーストがかかり一気に販売台数が増えるところだが、MAZDA3に関しては登場月の5月も翌6月も1500台程度の販売台数なのである。果たしてこれは一体どういうことなのだろうか?

高級になり過ぎた?

 そもそもMAZDA3の源流を辿るとアクセラからファミリアに行き当たる。そんなファミリアの最終型(1998〜2003年まで販売)の価格は一番安いもので99.1万円(登場時・税抜)と100万円を切るグレードも存在していたのだ。

 一方のMAZDA3は最廉価グレードでも約202万円(税抜)と倍ほどの値段となってしまっている。もちろん時代の流れで必要になった安全装備など、装備が大幅にアップしていることも分かるが、それでも20年前から比べて倍となっているのでは、従来のファミリアのユーザーはなかなか手が出しづらいということもあるのではないだろうか。

真打ちはまだ登場していない!

欲しいグレードがまだ販売されていない

 そしてじつはこれが大きな要因では? と思えるのが、グレード体系だ。

 マツダ独自の燃焼方式「SPCCI(Spark Controlled Compression Ignition:火花点火制御圧縮着火)」を実用化した、世界初の内燃機関となるSKYACTIV-Xの登場が遅れるのはすでに発表時からアナウンスされているが、じつは通常の2リッターガソリンエンジンの発売も7月下旬の発売だったのである。つまり当初はハッチバックのみに設定された1.5リッターガソリンと、1.8リッターディーゼルの2種類のエンジンしか販売されていなかったのだ。

 なお、2リッターガソリン発売後の販売台数は8月が3916台、9月が7533台と順調に伸びている。このあと多くのユーザーが待ち望んでいるであろうSKYACTIV-Xが登場すれば、もうひと伸びが期待できそうだが、果たして?