1/7日本列島に近づいてくる台風19号(ハギビス)。米航空宇宙局は、この台風を「スーパー・タイフーン」として紹介している。PHOTOGRAPH BY NASA WORLDVIEW, EARTH OBSERVING SYSTEM DATA AND INFORMATION SYSTEM (EOSDIS) 2/7欧州宇宙機関(ESA)の地球観測衛星「コペルニクス・センチネル3」は9月2日、バハマとフロリダに向かって猛進するハリケーン「ドリアン」の姿をとらえた。気候変動の影響もあって、ドリアンのようなハリケーンは大型化する傾向にあり、陸上に停滞する時間も長くなっている。進路上の人や建物にもたらす被害も拡大している。PHOTOGRAPH BY ESA 3/7木星の象徴である大赤班は、数百年にわたって渦を描き続けている。徐々に小さくなっているとはいえ、いまでも地球が丸ごと入ってしまうほどの大きさだ。NASAの探査機「ヴォイジャー1号」は、1979年の木星接近時にこの写真を撮影し、超巨大な嵐(とそのほかの多くのもの)をきわめて詳細にとらえた。PHOTOGRAPH BY NASA/JPL 4/7太陽系の果てにある海王星の表面では、渦を巻くいくつもの嵐が旋回しては消えている。海王星の暗い楕円形の嵐は目立つが、そのすぐ右下には「ヴォイジャー2号」が1989年に発見した「スクーター」と名づけられた嵐がある。地球や木星などの大気がある惑星と同じように、海王星の嵐も現れては消えていく。ヴォイジャー接近後の30年で、どんな嵐が新たに形成されたのか。それをたしかめるには、もう一度海王星まで行かなければならないだろう。PHOTOGRAPH BY NASA/JPL 5/7左側の縦長の銀河は「NGC 4302」。もうひとつは「NGC 4298」銀河だ。ハッブル宇宙望遠鏡がとらえたこのふたつの銀河は実は、形状という点でも、構成という点でもよく似ている。違うかたちに見えるのは単に、まったく違うふたつの視点から見ているからだ。ただし、両者にはひとつの違いがある。左側の銀河のほうが多くの塵を吸収しているので、風車のような右側の銀河よりも赤みがかって見える。PHOTOGRAPH BY NASA GODDARD 6/7「子もち銀河」としても知られる「メシエ51(M51)」は、すぐ上に、「M51b」と呼ばれる小さな相棒の銀河を伴っている。M51とM51bの中心に見える明るい緑の光は、超巨大ブラックホールに吸い込まれているX線を表している。そのほかの緑の点は、NASAのX線宇宙望遠鏡「NuStar」(ニュースター:Nuclear Spectroscopic Telescope Array)がとらえた、高エネルギーのX線源だ。PHOTOGRAPH BY JPL 7/7この「NGC 6861」銀河は、楕円銀河と渦巻銀河が混ざりあったように見える(実際には、レンズ状銀河と呼ばれる、きわめて珍しい銀河だ)。この写真の角度は興味深い。というのも、銀河を取り囲む広い塵のレーンと、中心の渦状腕が見てとれるからだ。PHOTOGRAPH BY NASA GODDARD

ごくごく小さくて壊れやすいカタツムリの殻から、宇宙に存在する巨大な弧まで、渦はあらゆるところに存在している。渦は美しいが、暴力的でもある。2019年9月に話題となった巨大ハリケーン「ドリアン」や、木星の大赤班、海王星の巨大嵐について考えてみてほしい。

「台風だけじゃない。宇宙にも存在する巨大な「渦」の数々:今週の宇宙ギャラリー」の写真・リンク付きの記事はこちら

そうした嵐を支配しているのが、「コリオリ力」と呼ばれる作用だ。動いている惑星や天体の上空で生じる嵐は、その惑星の自転の影響を受けて渦を巻く。

一方で宇宙には、ハリケーンとはまったく異なる理由で渦を巻く構造がある。太陽系は、恒星を取り巻く円盤状のガスから形成されている。渦巻銀河も、それと同じような物理的現象の影響を受けているが、その規模は太陽系よりもはるかに大きい。

今回の宇宙ギャラリーで紹介する「宇宙の渦」のいくつかについては、米航空宇宙局(NASA)の「ヴォイジャー」計画のおかげで、画像として見られるようになった。1979年に木星の近くを通過した「ヴォイジャー1号」は、木星表面上で渦を巻く巨大な嵐を写真に収めた。

また、89年に海王星を通過した「ヴォイジャー2号」は、小さな渦を巻く嵐を撮影し、NASAはその嵐に「スクーター」というニックネームをつけた。

それよりもはるか遠くには、われらが渦巻銀河と似たさまざまな銀河が存在する。そしてそれらは、「渦状腕(かじょうわん)」と呼ばれる、星々の光で輝く渦巻で構成されている。

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