岡田和生氏のインタビューは、岡田氏の自宅近くのカフェで行われた

写真拡大

◆創業者のオフィシャルサイトで公開された「お願い」

「成功報酬金1億円にて小生、岡田和生の『お願い』を現実化できる方を探しています」

 今春、こんな告知が岡田和生オフィシャルサイトに掲載された(現在は削除済み)。岡田氏は、パチスロ機製造やカジノ事業で知られるJASDAQ(ジャスダック)上場のユニバーサルエンターテインメント(旧社名、アルゼ。以下、ユニバ)の創業者。

『フォーブスジャパン』の「日本長者番付2019」では、資産額2270億円で第21位となっている。成功報酬金1億円を支払う資産的な裏づけは十分だ。岡田氏の「お願い」について、オフィシャルサイトの記載(現在は削除済み)を引用する。

<小生、岡田和生と、長男「岡田知裕」は現在、連絡さえ取れない状況下にあります。家族の絆を信じて、世に言われる「上場企業お家騒動」から約1年9ヶ月、いつかは息子は戻ってくるものと待ち続けて参りました。親子が(推測するに)第三者からの関与で、離散するような状況にあり、このまま生き続けても、お互いに幸せな訳がないと信じます>

<私、岡田和生と長男、岡田知裕が家族の絆を取り戻す為の前向きで、友好的な二人だけの和解の話し合いの場を設ける事を現実化できる事、その場を最初に現実化してくださる事ができた方、1名に成功報酬として総額1億円お支払い致します>

 成功報酬を獲得するためには事前に登録が必要で、誓約書(「違法行為を行いません」などとするもの)と個人情報記入用紙をオフィシャルサイトからダウンロード、プリントアウトし、記入・署名・捺印して、身分証明書のコピーと一緒に岡田氏へ郵送しなければならない。

◆元ユニバ取締役の長男との間に「家族の絆」はあったのか

 ユニバ取締役会長だった岡田和生氏が同社から追放されたのは2017年6月。株主総会で取締役に再任されなかったのだ。ユニバの株式の約70%を保有する香港の親会社、オカダ・ホールディングス・リミテッド(以下、オカダ)の意向である。

 それに先立ち、オカダで和生氏が取締役から解任された。オカダの株式は、和生氏が約46%、長男の知裕氏(元ユニバ取締役)が約43%、長女の裕実氏が約9%を保有しており、知裕氏が裕実氏にはたらきかけて、過半数の株式で和生氏の追放を実現させた。

 お家騒動に関連し、和生氏、知裕氏、裕実氏、ユニバを当事者とする損害賠償などの裁判がいくつか起こされている。そのうちの1つに知裕氏が提出した陳述書には、以下の記載がある。

<和生は、仕事の面でも、また家族に対しても、非常に気性が荒く、ワンマンかつ頑固で自己中心的な振る舞いをする人です。UE(筆者注・ユニバ)グループにおいては、創業者として絶大な権力を持ち、他人の反対意見を聞き入れることはありませんでした>

<2002年に私がいったんUEから離れたのも、私が、和生が自分の愛人である元ホステスの女性をUEの要職に就けるようなことは公私混同であり不適切であると考え、UEの取締役として、和生に対し、これを指摘してやめさせようとしたところ、逆に和生が激高し、私を辞めさせたという経緯でした>

<2015年6月に私がUEの取締役を退任したのも、和生が再婚した岡田幸子をUEの取締役に就けようとしたところ、取引先の金融機関から、UEの役員に岡田一族の人間をこれ以上増やすのは良くないという指摘があったため、岡田幸子を入れる代わりに私を外した、というのが実態です>

 そもそも和生氏と知裕氏との間に「家族の絆」などあったのかと疑わせる内容だ。

◆話し合いはあきらめ、裁判で解決へ

 成功報酬1億円の告知がされてから半年が経った2019年9月上旬、筆者は岡田和生氏にインタビューを行った。