「最上位は過去の性能をしのがなくては」 厳しいカメラ市場、キヤノンの戦略は?

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 デジタルカメラ市場の縮小が続いている。ミラーレスカメラだけは販売が伸びているが、スマートフォンの普及によるカメラ離れの影響は大きく、ミラーレス新製品の投入だけで市場を回復させるのは難しい。カメラ各社はどのような戦略を立てているのか、カメラ事業トップに聞く。第1回はキヤノンの戸倉剛常務執行役員。(聞き手・国広伽奈子)

―市場縮小をどう見ていますか。
 「普及価格帯の減少傾向が特に強い。(スマホ普及で市場全体が縮小していく)メガトレンドは致し方ないが、消費者をよく見て、魅力を感じられる商品を出していく」

―普及価格帯のミラーレス「EOS KissM」は根強い人気です。
 「日本では女性の購入比率が高く、KissMは新規層の獲得に寄与した。とはいえ、若者や女性比率の向上は難しい。既存のカメラの形に縛られないことも重要だ」

―若者や女性に支持されるための戦略は。
 「まずカメラに触ってもらう、カメラの入り口に立ってもらうことが必要だ。そのために新たな撮影スタイルを提供できるカメラを投入する。液晶画面がなく、スマホの画面で撮影画像を見る小型カメラや単眼鏡のような形の超望遠カメラ、子ども向けカメラなどはそうした取り組みだ。スマホとレンズ交換式カメラの中間領域を狙うが、コンパクトデジカメと同じものでは決してない」

―ミラーレスは、今後どのような戦略で臨みますか。
 「35ミリメートルフルサイズのイメージセンサーを搭載した『EOS Rシステム』は、まだ楽しめる層が限られている。システムの拡充が最重要事項。(性能や価格など)現行機種の上と下の領域に拡充する」

―ミラーレス最上位機種は、どのような構想ですか。
 「過去の性能をしのぐ製品でなければならない。ミラーレス開発は“快速・快適・高画質”を今後も追求する。動画性能も消費者の注目が高い。ネットワークとの親和性も重要な進化軸だ」

―ミラーレス用レンズの拡充も重要です。
 「手頃な価格や小型・軽量を意識する。一眼レフで用意できなかったユニークなレンズも提案したい。画質へのフィードバックもできるレンズを出す。画像処理に対するレンズ情報の活用はさらに進化できる。EOS Rシステムにしかできない点を追求する」

―交換レンズの製造の自動化について。
 「高精度の追求や良品率の上昇、製造コストの抑制のためには自動化を取り入れる必要があり、最適な工程から順次取り組んでいる。ボディーの製造と比べると、交換レンズの製造の自動化は形状の特性からハードルが高い。自動化に向けて一生懸命進んでいる状態だ」