ソウル安保対話であいさつする鄭氏=5日、ソウル(聯合ニュース)

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【ソウル聯合ニュース】韓国の鄭景斗(チョン・ギョンドゥ)国防部長官は5日、ソウル市内のホテルで開かれた多国間安全保障会議「ソウル安保対話」であいさつし、「自国の利益を優先的に追求するための競争がいつになく強まっている」として、「最近、朝鮮半島周辺では隣国との安保対立を助長し、自国の利益を追求しようとする懸念される動きまで表れている」と指摘した。

 「懸念される動き」について具体的には言及しなかったが、韓国に対する経済・外交・安保攻勢を強めている日本に向けたメッセージとの見方が出ている。

 鄭氏は北朝鮮の非核化問題に関しては、「朝鮮戦争後、70年以上続いた南北の軍事的な対決や緊張の歳月を一日にして克服することはできない」として、「最近、北が短距離弾道ミサイルを発射し、朝鮮半島の緊張を高めるなど、われわれの前には依然として多くの難関がある」と述べ、非核化の実現は簡単ではない課題との認識を示した。

 その上で、「忍耐心を持ち、相互信頼を築くための努力を止めない」と表明。「わが軍は国と国民を守るための強力な国防力で(朝鮮半島の非核化に向けた)政府の努力を後押しする」と述べた。

 韓国国防部が主催するソウル安保対話は今年で8回目。6日まで開かれる本会議には約50カ国・地域や五つの国際機関の関係者らが出席する。

 米国からは在韓米軍のエイブラムス司令官、日本からは防衛省の吉野幸治・国際政策課長らが出席した。