3日、日本代表は遠藤航を除く全てのメンバーが集合し、冒頭15分間のみを公開したトレーニングを行った。公開練習の中では、合流した久保建英中島翔哉植田直通を挟んで走り、3人でずっと会話する様子を見ることができた。

植田は3人で「普通の会話」をしていたという。久保と中島はチームを代わったばかりなので、選手のエピソードや食事の話をしながら走っていたそうだ。

久保たち五輪代表を狙う選手とともにコパアメリカに出場した植田は、「(自分が)今までは若手と言われてきましたけど、下からの突き上げもあると感じましたし、このままではダメだと危機感を持たされた自分もいた」と振り返る。

「そういう刺激がプラスになっていると思うし、下の選手には絶対負けないとも思うし、上の選手にはこれまでどおり僕が突き上げていくという気持ちを忘れず、刺激を感じながらやっていければ」

「自分にはないものを持ってる選手が多いし、学べるものがたくさんあります。年齢は下だとしてもそこはリスペクトしてるし、僕は常に学ぶ気持ちは持っています。自分に足りないものを学んで盗むというのは、これからもやっていきたいと思います」

特に植田は冨安健洋という強力なライバルも出現した。「トミは、『うまい選手』です。僕は『粗い選手』です。まだ四角いです」。植田はそう謙虚にいうと記者の前を去った。

18歳の久保に対して、倍の年齢なのが36歳の川島永嗣だ。川島が高校3年生のときに生まれた選手、と指摘されると「そう言われるとそうなんですよ」と苦笑する。そして自分が所属してきたチームにも大きく年の離れた選手がいたと語った。

ただし、久保はそんな選手と違うようだ。「日本人の18歳の子と接してる感じではない」という。

「小さいときにバルセロナに行ったりしているから、考え方が海外寄りだと思いますよ。でも日本で育ってるから日本人らしいところもあります」

若い力の台頭はチームに大きな刺激をもたらしている。その現状を過去8年と比較して川島は喜んでいた。

「過去3大会(2010年、2014年、2018年ワールドカップ)は同じような選手が多かった。でも今は誰が出てくるかわからない状況です。監督を悩ませるぐらいで楽しみじゃないかと思います」

【取材・文:森雅史/日本蹴球合同会社】