家庭でできる食中毒予防の6つのポイント

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お盆休みに入っても猛暑の続く日本列島。熱中症だけでなく食中毒にも気を付けたい。

食中毒は飲食店など外出中の食事だけでなく家庭でも発生する。家庭における食中毒は、症状が軽かったり、必ずしも家族全員には症状が出ないことで食中毒と認識されない場合もある。平成30年の厚生労働省の統計では、家庭での食中毒の発生件数は全体の1割程度だが、実際にはもっと多く発生していることが推測される。家庭にも食中毒の危険が潜んでいるのだ。

食中毒を引き起こす主な原因は「細菌」と「ウイルス」。夏場は特に細菌性の食中毒が多い。代表的な原因菌とその潜伏期間は、黄色ブドウ球菌(1〜3時間)、サルモネラ(6〜72時間)、腸炎ビブリオ(8〜24時間)、カンピロバクター(1〜7日)、O-157(腸管出血性大腸菌、3〜8日)など。しかし、たとえ食品に細菌が増殖していても見た目や味は変わらず、匂いもない。しかし、感染すると、腹痛や嘔吐、下痢、発熱などの症状があらわれる。

一般的に、抵抗力が弱い人は食中毒になりやすい。消化器官や免疫力が未発達な乳幼児、高齢者、虚弱体質の人などは特に気をつける必要がある。また、過労や睡眠不足、過度なストレスなどで体力が落ちている人も要注意だ。

「つけない、増やさない、やっつける」

細菌による食中毒の場合、家庭でできる予防の原則は、原因菌を「つけない、増やさない、やっつける」。

食品・食材に細菌を「つけない」よう手やまな板などの調理器具を清潔に保つこと、細菌を「増やさない」よう食品を安全な温度に保つこと、そして細菌を「やっつける」ために十分に加熱することだ。細菌は一般的に10℃以下や60℃以上で増殖しにくくなるとされているが、冷蔵庫内で増殖する菌もいるため、肉・魚介類や惣菜などは早めに使い切るようにしたい。

手づくり弁当の場合、梅干や薬味野菜のシソ、ニンニク、ネギ、香菜、ショウガ、ワサビなど、抗菌・防腐作用に優れた食材も取り入れたい。また、免疫力を高めるビタミンB1が含まれる豚肉も予防に役立つ。

厚生労働省の「家庭でできる食中毒予防の6つのポイント」も参考に、日頃から食中毒対策を心がけよう。

●厚生労働省:「食中毒」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/syokuchu/

【参考】

厚生労働省: 平成30年食中毒発生状況(概要版)及び主な食中毒事案
https://www.mhlw.go.jp/content/11121000/000488491.pdf

医師・専門家が監修「Aging Style」