「社内の空気は変わってきた」トヨタから初受注でホンダ系大手サプライヤーが得た果実
従来は開発である程度形ができあがった後、製品の評価をしていた。だが、伊藤は「悪いモノを出さないことの確認は重要だが、新しい製品を開発するのに手遅れになる場合もある」とし、開発の前段階でどんな仕様にするかなどの議論を進めていくことで開発の効率化につなげた。
営業面でも効率化の手応えが出ているようだ。営業担当の上席執行役員の島田育宜は「対応のスピードが速まり、開発と営業の一体感があると評価される」と胸を張る。
2輪と4輪の部品を扱うケーヒンならではの強みもシナジーにつなげる。アジアではガソリン系部品に注力し、2輪事業でのスケールメリットを生かしながら4輪事業の競争力を高める。中国では電動化製品を中心に地場メーカーへの提案も強化する。社長の相田圭一は6月の就任から積極的に顧客へのあいさつ回りもしており、島田は「さらに発展できる動きができるはず」と力を込める。
生産本部長で代表取締役専務執行役員の今野元一朗も、「開発と生産も一体で取り組んでいる。トヨタの仕事をいただくにあたってさまざまなことを勉強してきた。
人や物の動きも含めて工程数を減らしていく」とさまざまな需要に対応できる新たな生産ラインの構想も見据える。新たな受注や効率化策の具現化でコスト競争力も高まってきた。ホンダ系サプライヤーとしての進化が姿を表しつつある。
(敬称略)
