信号に引っかからないというのは高速道路の利点のひとつですが、高速道路の本線上にも、信号機は設置されています。むしろ、ありふれているともいえます。ただし一般道の交差点のそれとは、当然ながら運用が異なります。

「赤」はそのまま進むとヤバイ

 高速道路に信号機はあるのでしょうか。

 結論からいえば、あります。たとえば首都高と外環道とが交わる美女木JCT(埼玉県戸田市)や、北陸道の片山津IC(石川県加賀市)などで、ランプウェイどうしの平面交差部分に見られます。


中央道の恵那山トンネル(全長8490m)手前に設置された信号機(2019年7月、中島洋平撮影)。

 とはいえそうしたレアなケースでなくとも、高速道路の本線上で信号機はわりと目にでき、むしろありふれたものともいえるでしょう。すなわち、長いトンネルの手前の、トンネル用信号のことです。

 ではこのトンネル用信号、青の意味は容易に想像つきますが、赤や黄色は、どのようなときに表示されるのでしょうか。

 警察庁によると、トンネル用信号の赤灯火は、トンネル内で火災や事故など交通の危険が生じ、車両の進入を止めるべき場合に表示されるといいます。また、トンネルの通過はできても、工事による車線規制や落下物などの交通障害により、運転者に注意喚起する必要がある場合は、黄色の灯火が点滅するそうです。

 では、トンネル用信号の赤や黄色の表示に遭遇した場合、ドライバーはどうすればよいのでしょうか。警察庁によると、赤の場合はその場で停止、黄色点滅の場合は、「トンネル内の交通障害を回避できるよう速度を落としたり、車間距離を長めにとったりしつつ、周囲の状況に注意を払って進行してほしい」といい、停止の必要はないそうです。一方、点滅しない黄色の灯火が表示されているときは、のちに赤へ変わるので、後続車に留意しつつ速やかに停止してほしいといいます。

 なおNEXCO中日本によると、高速道路のトンネル用信号機は道路管理者と警察が協議のうえで設置し、管理や操作は警察の管轄下にあるそうです。