初のマドリード・ダービーを体感した久保。痛恨のミスや豪快ミドルなど出入りの激しい内容も、現地ファンからは良好な評価を得た。(C)Getty Images

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 フレンドリーマッチとはいえ、そこは宿命のライバル同士。ショッキングな結末が大きな波紋を呼んでいる。
 
 現地7月26日、ニューヨークで行なわれたインターナショナル・チャンピオンズカップ(ICC)、レアル・マドリー対アトレティコ・マドリーの一戦で、前者が3−7の惨敗を喫した。史上初めてスペイン国外で実現したダービーマッチは、序盤からマドリーがアトレティコの猛攻に晒される展開。前半だけで0−5と圧倒され、ゲーム終盤に立て続けにゴールを奪ったものの、大勢に影響はなかった。
 
 試合後にジネディーヌ・ジダン監督はみずからに言い聞かせるように「あくまでプレシーズンマッチ。手痛い敗戦だが、落ち込むことではない」と前を向き、7失点の守備陣をまとめたセルヒオ・ラモス主将は「前半が酷かったね。でもリセットして臨んだ後半は持ち直したよ」と強がった。
 
 スペイン・メディアやファンから非難が続出するなか、スペイン全国紙『Marca』がファン参加の「Yes or NO」アンケートを実施。つまりはネット上で、アトレティコ戦に出場した選手全員に善し悪しの“評価”を投票させたのだ。
 
 その結果──。なんと最高の評価を得たのは、スコアが1−6の63分からピッチに登場した久保建英だった。「良い」が994票で、「悪い」が174票。評価2位となったケイラー・ナバスの「良い」888票を大きく上回ったのである。終了間際、左足の強烈なミドルシュートでチームの3点目を導いたプレーが、ファンにとっては印象深かったのかもしれない。

 
 交代出場してすぐに両チームとも退場者が出て、その影響でジダン監督は久保を中盤センターに配備。緊急事態にも無難に攻撃を促進させた一方で、自身のパスミスが失点に繋がるなど厳しい場面もあり、この日の久保への評価は分かれるところだ。それでも同紙は「イスコがプレーしていたエリアでプレー。すでにゲームが終わった(マドリーが大差を付けられた)段階で投入されているため評価は難しいが、(89分に)鮮烈な一撃で(相手GKの)オブラクを強襲して存在を示した」と評している。
 
 エデン・アザールやルカ・モドリッチ、S・ラモスら豪華先発メンバーが軒並み低評価に甘んじるなか、不名誉な最下位(21位)となったのが、5失点のGKティボー・クルトワ。同紙は「試合前に『背番号1(正守護神の座)を得るためには、ピッチ上で実力を示すしかない』と語っていたが、惨憺たる出来に終わった」と皮肉っている。クルトワは「良い」がわずか59票だったのに対し、「悪い」は373票に達した。
 
構成●サッカーダイジェストWeb編集部