―この分野でのデンソーの強みとは。
 「量子アニーリングマシンはビット数が増えれば必ず全結合ではなくなる。結合が少ないマシンへのアプローチは、その意味で汎用的な技術だ。当社工場には実証フィールドがたくさんある。生産ラインの稼働率や人の配置の最適化なども想定される。工場間を結び最適化すれば『インダストリー4・0』の世界も見えてくる。加えて、量子アニーリングの原理発明者の門脇正史氏をはじめ優秀なメンバーの採用も進めていて、人材も世界トップクラスだ」

 ―実用化の時期は。
 「実用化とは、サービスで使われ、お金に結びつくこと。その意味では、世界でまだ誰も到達していない。今は可能性を示していく段階。Dウエーブの本格実用化は数年先。当社としては5年程度で何らかのめどをつけたい」(おわり)

連載・次世代計算機「量子アニーリング」の進展(全5回)
[https://newswitch.jp/p/18251{【01】量子コンピューティングは日本が世界をリードできる分野だ(2019年7月2日配信)}]
[https://newswitch.jp/p/18264{【02】量子コンピューティング「イジングマシン」が解決する課題(2019年7月3日配信)}]
[https://newswitch.jp/p/18281{【03】量子コンピューティング、早大が開発する「共通ソフトウェア基盤」の役割(2019年7月4日配信)}]
[https://newswitch.jp/p/18281{【04】「量子アニーリングマシンでアプリ開発」の先駆者になったリクルートの狙い(2019年7月5日配信)}]
[https://newswitch.jp/p/18334{【05】国際会議で高評価、デンソーが進める「量子コンピューティング研究」の強み(2019年7月8日配信)}]
(編集委員・斉藤実が担当しました)