毎日の食費をどれだけ安く、そしておいしくできるかは、家事をする人にとって腕の見せどころ。食費の節約は、成果が目に見えやすく、貯蓄にもすぐに結びつくからやりがいもあります。

実践する前にまずは賢者をお手本にしてみませんか? ということで、年間100万円貯めている食費節約達人Tさんにお話をうかがいました。今すぐ始められるアイデアが盛りだくさんです。

1週間のまとめ買いと下ごしらえはワンセット!食費も時間も節約できるアイデアを紹介




食材の大半を週1回、特売日にまとめ買いしているというTさん(34歳・北海道)。買い出しは、開店直後の早朝を狙って出かけます。

「朝イチは、店内がすいている時間帯なので、子ども連れでもゆっくり回れます。前日の生鮮食品の残りが半額になっていたりしてダブルでおトクなんです」
食費を極力抑えることで、月の予算を無理なくキープしています。


下ごしらえが済んでるから普段のごはんづくりは時短でOKそして、買い物が終わって帰宅すると、すぐに食材の下ごしらえを開始。野菜をゆで、肉を保温調理し、とテキパキ準備が進みます。
「このひと手間で、普段の調理が簡単になり、疲れていても外食や総菜に頼らなくてすみます」
下ごしらえがすんでいるから、普段のごはんづくりは余裕。あいた時間で子どもとゆっくり過ごせます。

食費の節約と家事ラクをかなえる1週間分の仕込みテク、早速見ていきましょう。

【Tさんプロフィール】
・年間貯蓄100万円
・夫(34歳)、長女(3歳)の3人家族。独身時代には実家のレストランを手伝い調理師免許を取得。保育士のパートをしながら食費節約テクを駆使して、念願のマイホームを購入!

●1週間分まとめ買いの中身とその用途

買った食材で献立を考えて、一気に下ごしらえ。
「肉の下処理をしたり、野菜はゆでたりするなどして、すぐ料理に使えるようにしておきます」
食材をムダなく使いきることができ、疲れた日も総菜に頼らず栄養バランスのとれた食卓を実現。

<野菜>
サラダに使うレタス以外は切ったりゆでたりして、すぐに調理に使えるように半調理。
「ホウレンソウとオクラは下ゆでしてから、サツマイモとキャベツは切ってから冷凍保存。キノコは冷凍ミックスにします」

<肉>
鶏肉は1回分ずつに小分けし、観音びらきにして酒やオイルに漬け込んで保存。
「豚のかたまり肉は、日もちするようにハムにすることが多いです。フライ用など調味ずみの肉はよく割引されるので、見逃さず買って夕食にします」

<魚>
魚は、調理のアレンジがしやすい鮭が定番。塩麹に漬け込んでおいてフライにしたり、ホイル焼きにしたりします。
「魚も割引された調味ずみのものがないか常に確認。もちろんすぐ冷凍します。今回はホッケをゲットできました」

<その他>
麺類は、余り食材と調理すれば1食分になるので重宝しているそう。
「油揚げも定番で、冷蔵庫の残り物をみじん切りにしてつめて焼いたり、広げてピザ生地にすることもありますね」
あと1品欲しいときに活躍する、ちくわや豆腐も常備しておきます。

●<仕込みテク1> 節約と時短のためにお湯を使い回す

(1) 野菜をゆでる


お湯を沸かして野菜の下ごしらえ。
「最初にオクラをゆでたら箸でザルに上げて、次にホウレンソウをゆでたらザルに上げて…と、お湯を使い回すと水も時間も節約できます」
底が広くて湯が沸きやすく、深さもあるフライパンを愛用しています。

(2) パスタをゆでる


(1)のお湯を、そのままパスタのゆで汁に利用。
「表示時間より1〜2分早めに上げ、冷水で締めると使うときちょうどいいかたさに。ザルで水をきり、オリーブオイルを数滴垂らすと麺同士がくっつきません」
冷蔵庫で3〜5日は保存可能。

(3) 保温調理する


最後は、(2)のお湯を使って、豚のかたまり肉をハムにします。
「ハーブなどで味つけした肉をフライパンで焼いてアルミ箔にくるみ、耐熱保存袋へ。炊飯器(※)にお湯を入れ、保存袋ごと肉を入れます」
“保温設定”で40〜50分温めるとハムが完成しちゃいます。

※炊飯器の種類によっては、炊飯以外に使えないものもありますので、取扱説明書をご確認ください。豚肉の中心に火がとおっていることを必ず確認してください。

●<仕込みテク2> 自家製冷凍ミックスを活用


エノキやシメジなどのキノコ類は、使いやすくほぐして1回分ずつ分けて冷凍します。
「つくるのはエノキの袋、シメジの袋、ミックスの袋。みじん切りにしたエノキはハンバーグに入れてかさ増しするなど、料理に合わせて使い分けています」

<傷みやすい野菜を長持ちさせるマル秘テク>


レタスは芯に楊枝を刺し、ペーパータオルに包んだらできるだけ空気を抜いて保存。
「使う前にしばらく水にさらせば、パリッとした食感に戻ります」

●おやつは子どもと手づくりする


おやつはクレープなど本格的なものからクッキーまでほとんど自家製。
「長女もおもしろがって、粉を混ぜたり、トッピングしたりとお手伝いしてくれます」
2人でつくって食べる親子の楽しいひととき。


好きなようにトッピングできるのも、おうちスイーツならではの楽しみです。

●夕食用のスープをつくり翌日以降はリメイク



メイン料理と、野菜を使った具だくさんのスープやみそ汁をつくって夕食の用意。
「野菜嫌いの子どもも、スープに入れると食べてくれるし、残り野菜も使えてムダが出ません」
一度にたっぷりつくって、翌日以降はリメイク料理に。


コンソメスープが残ったら、まずはトマト缶を使ってミネストローネにします。最後はリゾットに展開! 中華風などにすることも。

●マヨネーズは酢とみりんでクリーム状にして使いきる


「マヨネーズが残り少なくなったら、酢少々とみりんを加えて容器を振ります」
クリーム状になるので、最後までしっかり使いきれます。

買い物したらそのまま下ごしらえ。これなら、買った食材を忘れずに使いきれそう。家事の効率もあがって、ムダも減るからダブルでうれしい!
ぜひマネしてみてくださいね。

<撮影/合田和弘 取材・文/ESSE編集部>