強烈なカットインシュートを放ったMF久保建英(FC東京)

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[6.9 キリンチャレンジ杯 日本2-0エルサルバドル ひとめS]

 日本代表は9日、ひとめぼれスタジアム宮城で行われたキリンチャレンジカップでエルサルバドル代表と対戦し、2-0で勝利した。FW永井謙佑(FC東京)がA代表初ゴールを含む2得点。後半22分にはMF久保建英(FC東京)がピッチに送り出され、歴代年少2位の18歳5日でA代表デビューを飾った。

 5日のトリニダード・トバゴ戦から先発6人を入れ替えた。GKシュミット・ダニエル(仙台)と3バックのDF昌子源(トゥールーズ)、DF冨安健洋(シントトロイデン)、DF畠中槙之輔(横浜FM)、右シャドーのMF堂安律(フローニンゲン)は変わらず、ダブルボランチはMF橋本拳人(FC東京)、MF小林祐希(ヘーレンフェーン)。両ウイングバックにはMF原口元気(ハノーファー)とMF伊東純也(ゲンク)が入り、左シャドーにはMF南野拓実(ザルツブルグ)。1トップにはFW永井謙佑(FC東京)が起用された。[スタメン&布陣はコチラ]

 立ち上がりからボールを握ったのは日本。前半6分、鋭い出足でインターセプトした伊東が右サイドを駆け上がると、2人のディフェンスを一気に抜き去ってマイナス方向のクロスを送り込む。ニアの南野には合わず、反対サイドから走り込んだ原口が右足ダイレクトで狙ったが、ボールは大きく枠を外れた。

 前半10分には自陣からのサイドチェンジを受けた伊東がまたしても右サイドを打開。最後は堂安の突破が相手に阻まれたが、伊東がウイングバック起用で存在感を見せつける。同16分には橋本の縦パスに南野が抜け出し、永井のクロスが伊東につながるも、シュートには持ち込めなかった。

 それでも前半19分、日本がスコアを動かした。右サイドを持ち上がった冨安が縦方向に絶妙なスルーパスを送り込み、快足を飛ばした永井が抜け出す。寄せてくる相手に対して一瞬の切り返しで置き去りにすると、最後はゴール前までカットインして左足を振り抜き、A代表7試合目で記念すべき初ゴールを叩き込んだ。

 さらに勢いを強める日本は前半21分、ロングボールに抜け出した南野が相手を背負って抜け出し、ペナルティエリア内で倒されたがファウルの笛は鳴らず、同30分、小林の縦パスが主審に当たって相手に渡ると、2019-20シーズンから適用されている新たな競技規則により、ドロップボールで試合が再開された。

 日本は前半36分、橋本の縦パスから南野がつなぎ、永井が左足で狙ったが相手GKがビッグセーブ。同41分には小林のボールロストからカウンターを食らったが、素晴らしい対応を見せた冨安のクリアから逆カウンターを開始。永井のポストプレーを起点に左右を崩すと、畠中のスルーパスに抜け出した原口のクロスに反応した永井が2点目を叩き込んだ。

 ハーフタイムが明けても攻勢を緩めない日本は後半5分、小林の縦パスを堂安が落とし、南野がダイレクトで狙ったが枠外。その後はエルサルバドルに攻め込まれる場面もあったが、畠中と冨安が落ち着いた対応で防いでいた。ところが同11分、競り合いの際に永井が右肩を痛め、同13分にFW大迫勇也(ブレーメン)が投入された。

 加えて日本は伊東、畠中の2選手を下げてDF室屋成(FC東京)、DF山中亮輔(浦和)を起用。フォーメーションを4-2-3-1に変更した。さらに後半22分、森保一監督はついに久保の投入を決断。南野と原口を下げてMF中島翔哉(アルドゥハイル)と揃って送り込まれた。歴代2位の年少記録でA代表デビューを果たした久保はトップ下に入った。

 それから守勢に回った日本はなかなかボールをつなぐことができず、久保も守備に追われる時間帯が続く。それでも後半28分、大迫のポストプレーから久保にスルーパスが通ると、華麗なドリブルでカットインして左足でファーストシュート。相手GKに横っ飛びで阻まれたが、スタジアム内は大きな歓声に包まれた。

 さらに日本は後半32分、中盤で相手を外した久保のパスから中島が中央を突破し、流れたボールが左サイドに開いた小林へ。これをペナルティエリア右寄りに浮き球で送り込むと、巧みな胸トラップで収めた大迫がボレーで狙ったが、ボールは相手ディフェンダーにゴールライン付近でクリアされた。

 後半34分、右サイドをえぐった久保のクロスに大迫が反応したが、シュートには至らず。同35分、小林に代えてMF柴崎岳(ヘタフェ)が入った。同37分には久保がドリブルでペナルティエリアに侵入し、相手GKを強襲した。その後もドリブルとスルーパスで相手守備陣を苦しめた久保が攻撃を牽引。18歳が鮮烈なデビュー戦を飾った日本が6月のキリンチャレンジ杯を勝利で締めた。

(取材・文 竹内達也)