米中対立さらに激しく。主要日本企業、中国ビジネスへの「本音」
トヨタ自動車は米国の対中関税の引き上げや中国経済への影響を見極めている状況だ。トヨタの中国市場のシェアは5%程度で、豊田章男社長は「中国では他社に比べ改善の余地がある」との認識を示す。その分、伸びしろは大きそうで、小林耕士副社長は「我々は周回遅れ。一挙に増やすのは難しいが、コツコツやっていきたい」と意欲を示す。
「直接的な影響はないが、間接的には分からない」。ファナックの山口賢治社長は、設備投資を様子見する動きが中国に限らず広がるなか、米国の関税引き上げが企業の投資意欲に与える影響が懸念されるとの見方を示す。同社の1―3月期の受注高は18年10―12月期と比べ2・5%増となり、5四半期ぶりに増加。地域別では中国が同18%増だった。
山口社長は4月の決算説明会では中国の受注状況について「底は脱したのかなという印象はある。ただ楽観視はしていない」と指摘していた。
一方、シャープは米中貿易摩擦の影響でデバイスやディスプレー事業を中心に売上高が減少。これらが要因となり、20年3月期を最終年度とする中期経営計画の目標達成を断念することになった。
シャープは中国に生産拠点を置く企業にデバイスやディスプレーなどを供給している。野村勝明副社長は「顧客との関係の面で大きな影響を受けている」という。
米国の関税の引き上げに対し、中国も報復措置で対抗する可能性が高い。米国と中国が制裁と報復を繰り返せば貿易摩擦は過熱するばかりだ。火種がくすぶるなか、日本企業は状況を注視しながら事業活動を続けていくしかない。
昭和電工の竹内元浩取締役執行役員は「中国経済がスローダウンすれば、アルミ電解コンデンサーなどで影響があると見ている」と話す。
化成の柴田豊副社長も「世界の荷動きや経済悪化の影響を注視する」と語る。今回の関税引き上げの直接の影響はないが、18年度下期以降から一部製品の販売で間接的な影響が出ており、それを踏まえて19年度業績予想を立てた。
