懐かしすぎる? 新鮮すぎる? 約30年前のWindows 3.0時代のファイルマネージャーをWindows 10で体験する

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今から約30年前にリリースされたWindows 3.0には、ファイル管理用に「ファイルマネージャー」というツールが用意されていた。

このツールがWindowsストアで公開された。
Windows 10ユーザーなら誰でも無料で利用できる。

・昔、「ファイルマネージャー」にお世話になったユーザー
・「ファイルマネージャー」って何? という最近のユーザー
どちらのユーザーにとっても、
30年前のパソコン世界の体験は、新鮮な驚きと楽しさを味わえるだろう。


●ファイルマネージャーとは?
Windowsを使いこなそうと思ったら、ファイルやフォルダの操作は欠かせない。
特に仕事で使うなら、
・ファイルとフォルダの概念
・エクスプローラによるファイルのコピーや移動の操作
これらをしっかり理解していないと、効率のよい作業ができずに困ってしまうだろう。

しかし、これは今に始まった話ではない。

現在のWindows、さらにその前身となるMS-DOSが誕生したときから、ファイルとフォルダの操作は基本的には変わっていないからだ。

そんなWindowsの根幹ともいえる「ファイルとフォルダの操作」を体感できるのが、
「ファイルマネージャー(Windows File Manager)」なのである。


中高年ユーザーには懐かしい「ファイルマネージャー(Windows File Manager)」


ファイルマネージャー(Windows File Manager)は、今から約30年前の1990年にリリースされたWindows 3.0に搭載されていたファイル管理ツールだ。
現在のWindows 10で利用している「エクスプローラ」に相当するツールである。

1990年といったら、日本ではNECのPC-9800シリーズがまだ強かった時代だ。
当時のパソコンのスペックは、
・CPUがインテルの80286/80386
・OSはMS-DOS
・メモリは1〜2MB
・ハードディスクは20〜40MB
・3.5インチ/5インチのフロッピーディスクドライブ
こういった構成のマシンが主流だった。

こうした環境のパソコンで、前述のファイルマネージャーは、ファイルやフォルダ管理に使われていたのである。

2018年4月、マイクロソフトは、このファイルマネージャーをオープンソース化し、誰でも利用できるようにした。さらに最近、マイクロソフトの開発者によって、Windows 10の「Microsoftストア」に公開され、Windows 10にも手軽にインストールし、使えるようにようになったのだ。


Windows 10の「Microsoftストア」に公開されているファイルマネージャー



●時代を感じるインターフェイス、でも基本は変わっていない
Windows 10環境でファイルマネージャーを起動すると、
・左側にCドライブのツリー構造
・右側に現在選択しているディレクトリ(フォルダ)の中身
これらが表示される。

ウィンドウ上部にはドロップダウンメニュー、その下に各種のボタンが並んでいる。
ファイルやフォルダの右クリックメニューも利用できて、ドラッグ&ドロップによるコピーや移動も可能だ。

右クリックメニューには「PowerShellを起動」が用意されるなど、Windows 10らしさも感じられるが、見た目はいかにも古めかしい。
いま、あえてエクスプローラの代わりに利用するユーザーは少ないと思うが、
・約30年前のファイルマネージャー
・現在のエクスプローラ
この2つを比べてみれば、基本的な操作はそれほど変わっていないことを実感できるだろう。



ドロップダウンメニューからはディスクの操作も可能



右クリックメニューも利用できる。



複数のウィンドウを並べて表示することもできる。


ファイルマネージャー体験は、
昔を知る中高年ユーザーなら、間違いなく懐かしさに浸れる。
逆に昔を知らない若いユーザーには新鮮に感じられるかもしれない。

世代間コミュニケーションのネタとしても使えそうなので、一度、試してみてはどうだろうか。

Microsoft ストア


井上健語(フリーランスライター)