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山田智和(映像ディレクター)

Blackmagic Pocket Cinema Camera 4K Special Movie
Director : Tomokazu Yamada

P:Yamato Sugomoto ED:Oudai Kojima Cast:Kinari

Interview 山田智和(映像ディレクター)

見慣れた景色のグレードを上げるカメラ

CMではNiko and...、日本生命のゆず「うたエール」、新垣結衣のGMO、MVでは米津玄師「Lemon」「Flamingo」、あいみょん「マリーゴールド」「今夜このまま」などなど、見る人を惹きつけて離さない映像を撮り続ける山田智和監督。

Blackmagic Pocket Cinema Camera 4K(以下BMPCC4K)の発表を知り、「このカメラで映像を発表する最初の監督になりたい」と自ら手を挙げてオリジナル映像を制作してくれた。山田監督にこのハイスペックなカメラはどう写っているのか。率直な感想を聞いてみた。

──この映像は山田監督の多くの作品に登場する夜の東京を撮っています。このモチーフを選んだ理由を教えてください。

山田 東京生まれ東京育ちで事務所も新宿御苑。普段自分が見ている場所が新しいカメラでどう見えるんだろう。それが一番テストしやすいし、よくわかるんじゃないかと考えました。

──夜の東京が美しく表現されています。このカメラの印象を教えてください。

山田 通常はライティングをすることが多いのですが、この映像は全編ノーライトで撮っているんですけど、想像以上に見事に描写できていました。正直地明かりは厳しいかなと思っていましたが、撮れた画を見てみると、全く問題なかったですね。暗部のディテールも抑えられているし、諧調表現が素晴らしいですね。見慣れた景色のグレードが上がる。そんな世界観を提示できるカメラなのかなと思います。特に黒の色の深さには感動しました。黒髪で黒い服なんですけど、細かなディテールまで表現できています。僕の感覚では暗い場所の表現の幅が広いと思いました。感度ISO3200がベースなのは映像ディレクターにはありがたいです。夜の空や雲も撮れる。その奥行の深さも新しいと感じました。それは一眼の動画にはないところだと思います。

──今回の撮影の設定を教えてください。

山田 レンズはシグマ製のマイクロフォーサーズ。まずは諧調がどんなものなのかを知りたかったので、NDフィルターも使いませんでした。ジンバルはRonin-Sを使っています。あとはサムスンのSSD。BMPCC4Kはモニターが大きくて外部モニターをつける必要がないので、かなりシンプルな設定で撮れますね。

──5インチの液晶モニターの性能はどう感じましたか。

山田 液晶はタッチパネルで明るさも調整でき、まるでタブレットを持って撮影しているような感覚でした。夜の撮影で暗い場所に入っていっても色が残っている。BMPCC4KのモニターはLUTを当てれば仕上がりのイメージも確認できるので、撮っていても楽しかったですね。

──ありのままの素材を捉えつつ、アクシデントに対応する。山田監督がカメラに求めることはなんでしょうか。

山田 機動力ですね。カメラは機動力がすべてだと思っていいます。コンパクトであればあるほどいいんだけど、どちらかというと大きさというよりは機動力という言葉の方が正しいような気がしています。操作性とルックどちらが欠けても機動力がいいとは言えない。カメラが小さくなればなるほど、物理的に入れる場所も増えていきます。それによって撮れるものも変わってくると思います。

夜の東京でよく撮るんですけど、カメラが小さくて軽くなったことで、これだけ人が多くなった中でも裏路地とか狭い場所でも機動力よく、すいすい撮れました。カーボンファイバーのボディも見た目よりも軽くて驚きました。手持ち撮影やジンバルなどミニマムな撮影に最適なカメラですね。



※この記事はコマーシャル・フォト2019年1月号から転載しています。