ブリヂストンの悲願、安定調達できるタイヤ用素材がついに…
「非常に汎用的な材料の組み合わせで、これだけのすごい特性が出るとは想定していなかった」。ブリヂストンの会田昭二郎中央研究所フェローは興奮気味に語った。新素材「ハイ・ストレングス・ラバー(HSR)」は、独自の重合触媒技術「改良型Gd触媒」を用いて一般的なゴム成分のイソプレンと樹脂成分のエチレンをメーンに分子レベルで結合させて作り出した。
この課題を解決する第一歩が、16年に開発した独自のGd(ガドリニウム)触媒。Gd触媒を使いイソプレンの分子構造を高度に制御できるが、摂氏0度C以下でしか利用できないなどのハードルがあった。これに対し同社は触媒の構造を工夫した。工業的に一般的である40度C以上でも使用できるようにした。
さらに今回、Gd触媒を使ってイソプレンとエチレンという異なる成分を一つの化合物として結びつけることに成功し、ゴムのようなしなやかさと樹脂の強靱(きょうじん)さを併せ持つHSRの開発にこぎつけた。
このHSRは天然ゴムを上回る耐久性も持つことがわかった。天然ゴムとの比較試験ではHSRは引っ張り強度が天然ゴムに比べて1・5倍以上、耐摩耗性は同2・5倍以上、耐亀裂性は同5倍以上との結果も出た。
天然ゴムの代替という利点だけでなく、より薄くて軽いタイヤの実現につながり、自動車の燃費性能向上にも役立つ可能性がある。
