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■音大卒業後は売れないピアニストだった

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Q.夫だからできる「妻の適性・長所」あぶり出し作戦とは?

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私の妻(秋竹朋子氏)は、音大卒業後は売れないピアニストでした。それが、今ではビジネスマンの声づくり専門のボイトレスクールが成功したことを足がかりに、企業研修でのボイトレ指導や全国での講演、リトミック(音感教育)教室の開設、と事業を次々に立ち上げ、年収2000万円を稼ぐほどになっています。

本人にはビジネスになると思っていないことでも、お金を払ってそのノウハウや知識を得たいという人は多いものです。

音大出身の妻の場合、それは小さい頃からずっと続けているピアノと歌(声)でした。10年前のボイトレスクールを創設したきっかけにしても、昔から私が悩んでいた「滑舌の悪さ」というコンプレックスを、妻と話しているうちにボイトレで解決できることに気づき、スタートしたものでした。

■「100回以上のお見合い経験」が生きた

歌や声はスキルとしてわかりやすいですが、もっと何気ないものでもいい。たとえば、「メークや化粧品が好きで詳しい」ということだってスキルになります。実際、元美容部員の妻の友人は、子持ちの母向けのメーク教室を開いて稼いでいます。私の妻にしても、「100回以上のお見合い経験」がスキルであることに気づき、最近は婚活コンサルタント事業にも着手したところです。

こうしたビジネスのテーマになり得る“ダイヤの原石”は、妻との日常会話から発見することがほとんどです。コツは、「子供の頃は何に夢中だったの?」「どんな映画や小説が好きなの?」、あるいは買い物に行ったときに「なんでそれを買うの?」といったように、妻の趣味嗜好を引き出す問いかけです。

■「そんなのムリ」「やってもムダ」は禁句

日常会話だけでは限界もあるでしょう。そこでおすすめなのが、妻の故郷や通った学校、今までの勤務先などを妻と一緒にたどる旅です。学生時代や社会人になってからの話を聞くことで、妻が培ってきた能力やスキルをあぶり出せます。夫婦でも相手が何をしてきたかは意外と知らないものですよね。

多くの女性は結婚後も、社会とつながって生きることを欲しています。妻が「こんなビジネスをやってみたい」と言ったら、夫の役目はそれを肯定してサポートしてあげることです。間違っても「そんなのムリ」「やってもムダ」などと否定してはいけません。

妻の話を尊重して聞く。きっと夫婦円満にもつながるはずです。

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趣味嗜好は何か? 妻の半生をたどる“旅”に出かけよう

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午堂登紀雄(ごどう・ときお)
経営コンサルタント。米国公認会計士。妻はビジネスボイストレーニングスクール代表の秋竹朋子氏。『夫婦で年収5000万円になる方法』など著書多数。
 

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(米国公認会計士 午堂 登紀雄 構成=皆本 類 撮影=小原孝博 写真=iStock.com)