ここのところ話題となっているピエル=エメリク・オーバメヤンの騒動について、バイエルン・ミュンヘンのユップ・ハインケス監督も黙ってはいられなかった。金曜日に行われたプレスカンファレンスでは、昨今のサッカーにおける倫理の欠如と、クラブによる断固たる姿勢の必要性を訴えている。

選手が移籍したいと思えば、移籍できてしまうのか?自分の夢を追い求めるためなら、どんな振る舞いさえも許されてしまうのか?半世紀に渡りサッカー界で生き抜いてきた重鎮は「こういったことはこれまでにもあったさ。だがいま起こっていることは次元が違う」とコメント。この日5分間にわたって行われた会見の席で、オーバメヤンのことに関して苦言を呈した。

「このことについて、私は批判的に見ている。今日のサッカー選手たちは社会的にみて非常に恵まれた環境にある。一般的な人々が、どれほど苦労して毎月のサラリーを考えるとね・・・。サッカーではモラルも非常に重要なものであり、自分のことだけでなく周りのことについてもしっかりとみていかなくてはならないものだ。」

さらに、ハインケス氏は「ここのところブンデスでみられることについては理解できない。」と批判を展開。「たとえばドルトムントでは、デンベレやオーバメヤンで起こっている。こういうことが押し通せる状況というのは、そういう選手を獲得するクラブも考える必要がある。またそういった選手は、同じようなことを今度は自分たちにもするかもしれないということなどね。私なら最初からこういう選手など獲得しない」と言葉を続けた。

「なぜならこれは決して正しいことではないからだ。これはチームスポーツであり、自分のエゴを前面に出すようなことなど許されない。まずはクラブ全体を考えべきなんだ、チームメイトや、もちろんファンのことなどをね。そこに我々はうまく対応しないと、ファンからそっぽを向かれる結果となってしまう。」

ではいったいどうすべきなのだろうか?「まさか1年間選手を観客席においておくわけにもいかないしね。だがこういうことの前に選手たちと事前にしっかりと話し合いをもつ必要がある」とハインケス監督は述べ、「君がいったいどういうクラブでプレーしているのか、どういう責任があるのか、サラリーだけをみるのではないということ、それらのことをわからせるためにね。納得と教育以外に術はないだろう。クラブとして明白に線引きを行うということ。それがここバイエルンではできていると思う」と語っている。


なおブレーメン戦に向けては、「自宅でホッフェンハイム戦を見たが、フロリアン・コーフェルト監督は非常に多くの変化を行い、そしてチームに守備の安定化をもたらしているようだね。後半ではほんとうにいいサッカーをみせていたし、我々としてはただいい準備をするのではなく、高いモチベーションをもって取り組む必要がある」と指摘。

その一方で「フメルスは2・3週間前にひどい風邪をひき、発熱も抱えていた。今は熱はなく軽いトレーニングを行ったり回復に務めているところだよ。週末は当然考えられないし、来週の日曜日にいければ」との見通しを明かし、さらにダヴィド・アラバについても「おそらくは欠場するだろう。胃腸炎をわずらってね。チームから外れている状態だ」という。

だが前節欠場したロベルト・レヴァンドフスキについては、「いい印象をうけているし、問題はないようだ。それは誰がみてもわかることだとはおもうが、今回はオプションとなるだろう」と語った。