お好み焼きをどう切り分けるべきか? それが問題だ。

「丸いものを平等に公平にシェアするには、ピザ切りが一番」と主張する人たちがいる。一方、「格子切り」にして四角にした方が食べやすい、という人も多い。また「そもそもお好み焼きは1人1枚が原則。カットする必要ない」と、シェアそのものを否定する人の存在も無視できない。

そこでJタウン研究所は約2カ月にわたって、お好み焼きは「ピザ切り」か「格子切り」か? をテーマに、都道府県別のアンケート調査を行った(総投票数2864票、2017年9月4日〜11月13日)。はたして、その結果は――。

「格子切り」派は都会に多い?

全投票をあわせた数値は、「ピザ切り」が996票(34.8%)、「格子切り」は1508票(52.5%)、「カットしない」が364票(12.7%)だ。下の円グラフをご参照いただきたい。


お好み焼きは「ピザ切り」か、「格子切り」か? 調査結果(Jタウンネット調べ)

都道府県別に見てみよう。各県ごとの最多得票を色分けすると、上のような日本地図になった。「ピザ切り」のオレンジ色、「格子切り」のグリーン、県別の色分けでは拮抗している。どちらもほぼ全国に広がっているように見えるが、仔細に見ると......。

「格子切り」のグリーンがまとまって見えるのは、関東だ。茨城県(56.7%)、栃木県(50%)、埼玉県(45.5%)、千葉県(62.5%)、東京都(50.3%)など、関東では「格子切り」派が多い。

グリーンは、関西にも集中している。滋賀県(63.6%)、京都府(69.9%)、大阪府(70.5%)、兵庫県(67.5%)、奈良県(68.4%)など、近畿地方は「格子切り」派の圧勝だ。

またグリーンは、石川県(54.8%)や、広島県(68.6%)にも見られた。愛知県(68%)、福岡県(65%)も「格子切り」派だ。

ここから、比較的人口の多い都府県にグリーンが見られる、というザックリとした傾向が見てとれる。つまり「格子切り」派は都会に多い、と言い切っていいのだろうか。

お好み焼き(Jed Scattergoodさん撮影、Flickrより)

一方、「ピザ切り」のオレンジ色は、全国に広がっており、とくにこれといった特徴は見られない。

強いて挙げるとしたら、東北地方かもしれない。青森県(81.8%)、岩手県(100%)、宮城県(70%)、秋田県(83.3%)、山形県(75%)、福島県(66.7%)など、東北各県では、「ピザ切り」派が優勢だ。

また「ピザ切り」派は、群馬県(60%)、神奈川県(60%)、山梨県(62.5%)、長野県(66.7%)など、関東の一部、甲信地方でも多かった。

だが、「ピザ切り」派が多数を占めた県でも、その多くはかなりの接戦だった。「格子切り」派との差はわずかである。「カットしない」は47都道府県どこでも、少数派にとどまった。


各人に切り分けたお好み焼き(S_e_iさん撮影、Wikimedia Commonsより)